14歳の頃にキエフのアニメファンクラブに入りました。入った当初、在籍者は20名ぐらいだったのですが、その後ネットが普及し、情報を得やすくなったことや、毎週末アニメのコスプレを日本文化に触れる活動を続けていくなかで会員がどんどん増えて、10年後には数百人にまで広がりました」
一番好きな戦国武将は、伊達政宗
――ウクライナではどんな日本カルチャーが人気ですか?
「キエフでは柔道、空手、剣道、お茶、囲碁・将棋、着物などいろいろな習い事の教室があり、和食のお店もあります。ただ一番の流行は、やはりアニメでしょうね。最近ですと『進撃の巨人』や『呪術廻戦』、『鬼滅の刃』が人気ですね。昔だと『NARUTO』や『ポケモン』『キャンディ・キャンディ』なんかも人気でした。
コスプレも人気でクオリティもあがっています。昔は『クローゼットコスプレ』といって、家にあるもので、アニメのキャラになりきるのが定番だったのですが、今では『カラコン』や『ウィッグ』など専用のものを買います。ウィッグ専用の美容師もいるぐらいで、すごくコスプレ文化は成長したと思います。
あと、キエフには『ウクライナ日本センター』という日本文化に触れることができる施設があり、ウクライナ語やロシア語、英語に翻訳された日本の本を閲覧することができます。私はそこで、日本の戦国時代の武将たちのことを知り、すっかり魅了されてしまいました。織田信長、明智光秀、上杉謙信、好きな武将をあげたらきりがないけれど、一番は伊達政宗です。
休みの日には、被災地のボランティア活動に参加
大学時代に日本に短期留学した後、家族を説得してお金を貯め、2011年に日本に再び留学しました」
――東日本大震災があった年ですね。
「はい。私は7月に日本に来ました。私は、当時まだ学生で、休みの日に何度も仙台の荒浜の方でボランティア活動もしました。地震で飛び散ったガラスを拾ったり、被災した住宅の窓についた土を綺麗にしたり、被災地の慰問コンサートのお手伝いをしたり……。被災者の方々が作った商品を販売したり、農業を手伝ったりもしました。仙台は学生の頃から20回以上行っています。日本の皆さんによくしてもらって何度も助けられています」