派遣切りに遭った29歳の主人公が、底なしの泥沼不倫にハマる漫画『悪いのはあなたです』。最終巻にあたる第2巻が、3月10日(木)に発売される。
著者のふせでぃさんはこれまで『明日、世界が滅びるかもなので、本日は帰りません。』『全部失っても、君だけは』など、主人公が恋愛に悩む様子を可愛らしい作風で描いてきた。しかし、本作では一転して、現状に満足できない大人たちの泥沼の人間関係が散りばめられている。
これまでの「不倫漫画」とは一線を画すような衝撃展開の数々は、どのようにして生まれたのか。ふせでぃさんにお話を伺った。
ーー『悪いのはあなたです』を描き終えた感想をお願いいたします。
ふせでぃ 辛くて、大変で、楽しくもありました。担当編集さんと「次は不倫ものをやろう」と決めてから一気に筆が進んで、なんとか1年に2巻分(約400ページ)を描くことができました。でも、後半の展開がなかなか決まらなくて……「やっと終わった!」という感じです。
ーー1巻よりもギアが上がって、スピード感のある展開でした。
ふせでぃ 1巻はキャラが出揃ったばかりで、少しゆっくりな展開だったかもしれません。読んでいる方が「次回どうなるんだろう?」と楽しみにしてもらえるように、どのお話でも事件が起こるようにしています。週末の六本木で不倫相手の家族と遭遇したり、彼氏の浮気現場を目の当たりにしたり。主人公の莉子が不遇な扱いを受ける時期が長くて、ヤキモキした読者さんもいるかもしれないですね。
付き合う前から「介護できるかな…」たくましすぎる想像力から生まれた“おむつ展開”
ーー後半の展開がなかなか決まらなかったそうですが、ツトム(莉子の不倫相手)が芳子(ツトムの妻)にお仕置きされて、おむつ一丁の姿になっているのは衝撃でした。ネームを見た時は、担当編集全員が「え!?」という反応でしたね。
ふせでぃ この展開は、ペットのトイレの世話をしている時に思いつきました。ペットは自分のトイレを片付けられないから、家族である私が綺麗にしています。当たり前だけれど、「これ、人間でも同じことが言えるよな……」と思って。どこまで家族の面倒を見られるか、と考えた時に、あのシーンが浮かんだんです。