女性が東京大学へ入学できるようになったのは、戦後間もない1946年。それから75年経った2021年の時点で、学部合格者の女性比率は約2割であり、他大学と比べても圧倒的に少ない。
「東大卒」という特別な肩書きは、女性たちのその後の人生にどんな影響を及ぼすのか。ここでは、東大出身の女性たち10人にインタビューをして彼女たちの本音に迫った『東大女子という生き方』より一部を抜粋。婚活アプリで50人以上と会った体験をブログに書いて話題を呼んだ「あられ」さんのインタビューを紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)
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29歳で周囲がドドドッと結婚
──20代は恋愛よりも仕事に没頭してきた?
あられ そうですね。東大大学院を出て今の会社に就職して、20代後半は仕事しかしていなくて。でも29歳の時、友達が皆ドドドッと結婚していってマズイと気がついたんです。やっぱり東大生は辻褄を合わせるのがうまいと、その時思いました。ここまでにはというデッドラインがあって、そこに向けてちゃんと準備していたんだと。
──危機感が芽生えた。
あられ はい。あと親からの煽りもありました。29歳のうちに結婚相談所に入りなさいと言われて入会しましたが、一度もどなたにも会うことなくその1年が終了しました。
──親御さんは、あられさんに結婚してほしいという思いが強かったのですか。
あられ はい。そもそも母からは、東大なんか行ったらお嫁に行けないからやめた方がいいと東大進学に反対されていたんです。だから29歳になって、ほら見たことか、みたいな(笑)。