「府連経由でマネーロンダリングする」
文書には次のような一節がある。
標記の活動費について、西田昌司議員事務所から既に府連に振り込まれておりますので、これを原資として、上記会議終了後に支給(交付)することとしてよろしいか。
なお、府連から支給(交付)することは、府連経由でマネーロンダリングすることにあります。
以上
追伸
支給(交付)人数、金額は、
人数― 府議会議員(●●議員を含む) 27人
京都市会議員 22人
金額― 1人 30万円 ※ 合計1,470万円
来夏に各人に 20万円支給(交付)予定(原文ママ、以下同)
(*●●議員は文書では実名)
そしてこの文書にある通り、「西田氏の選挙区支部」→「京都府連」→「府議市議の関連団体」と、実際に計1470万円がばらまかれている。このお金の流れは、自民党京都府連、西田氏の選挙区支部、府議・市議の関連団体などの収支報告書からも裏付けられる。
元府連職員の上条和夫氏(仮名)によれば「府連では大きな金額が動くときには、必ず府連会長の承認が必要となります。府連会長は東京に滞在する期間も長いため、事務局長は口頭ではなく、こうした文書で承認を得るのです」。
国会で二之湯氏は「(選挙買収は)頭の片隅にもない」と答弁しているが、この書類は京都府連の会長だった二之湯氏の下で、選挙買収が行われたことの証拠に他ならない。
「党勢拡大のため」と主張するが……
一方で二之湯大臣が繰り返す「(金銭配布は)党勢拡大のため」という主張はどうか。
二之湯大臣は、自身の選挙時にも選挙買収に手を染めていた可能性が高い。2月17日付の京都新聞が報じているが、2016年夏の参院選前の4月と前年の10月の2回に分けて計2400万円を自身の政党支部や政治団体から自民党京都府連に寄付。その後、府連を通じて地方議員に計50万円を配布している。このお金の流れは二之湯大臣も国会で認めているが、筆者が報じてきたマネロン選挙買収のスキームそのものだ。
マネロン選挙買収のスキームが確立する前から、二之湯大臣が選挙買収に手を染めていたことを示す内部文書を、今回新たに入手した。