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国会答弁は虚偽である可能性が高い

 この内部文書には二之湯大臣が主張する「党勢拡大」などという言葉は記されていない。《当選を果たすうえで 選挙戦の中核となる府議ならびに京都市議の取組みが極めて重要であることを考慮し 先例に倣って「組織活動費」を 次のとおり支出することとしてよろしいか》とある通り、その金は選挙のためのお金であることは明らかだ。選挙買収について「頭の片隅にもありません」と答弁し、配った金は「党勢拡大のため」という二之湯大臣の国会答弁は、虚偽である可能性が極めて高い。

 長らく京都府連で選挙買収が疑われる行為が行われてきたことについて、神戸学院大学法学部・上脇博之教授(憲法学)はこう指摘する。

京都府連会長の西田昌司参院議員 ©共同通信社

「これまで京都府連のケースは公選法221条の『買収罪』の適用が議論されてきましたが、自民党京都府連会長のもと衆参の選挙のたび常習的に買収が行われていたということであれば、私見ですが公選法第222条第2項にある『常習買収』に問える可能性もあると考えています。常習買収の場合は単純買収よりも罪が重く〈5年以下の懲役または禁錮〉となり、公訴時効も5年と長くなります」

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 繰り返すが、国家公安委員長は警察機構を管理監督する要職である。公職選挙法違反を摘発する立場であり、マネーロンダリングなどの犯罪行為を取り締まる側のトップである。実際に二之湯大臣は3月3日の内閣委員会で「組織的に慣行される組織詐欺やマネーロンダリング事案の検挙等の取り締まりを徹底する」と答弁している。国会で虚偽の答弁を行い、マネーロンダリング行為を隠蔽する言動を続けることは断じて許されない。

文藝春秋

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