初当選時の選挙で作成された文書
2004年7月11日の参院選で二之湯氏は初当選を果たすが、この選挙で作成された《府議、京都市議に対する活動費の支給について》という文書だ。日付は2004年5月18日付であり、選挙の約2カ月前だ。文書の起案者は当時の事務局長である。
6月24日公示、7月11日投票の日程で行われる 参議院議員選挙について 京都選挙区、公認候補者 二之湯 智 京都市議会議員 の当選を果たすうえで 選挙戦の中核となる府議ならびに京都市議の取組みが極めて重要であることを考慮し 先例に倣って「組織活動費」を 次のとおり支出することとしてよろしいか。
(1)支給対象者
京都府議会議員 26名 (●●議員を含む)
京都市会議員 23名 (二之湯議員を除く)
計 49名(2)支給額
1人当たり 500,000円
計 24,500,000円(*●●議員は文書では実名)
まさに選挙のために地方議員に50万円を配ることを確認するための文書である。
当時の京都府連の手法は、選挙前に府連を通じて地方議員「個人」に「組織活動費」50万円を支給していた。一方、現在のスキームでは地方議員関連の「政治団体」に「寄付・交付金」という名目で50万円を支払う形となっている。「個人」から「政治団体」に配布先を変更した現行のスキームは現府連会長の西田氏が考案したといわれている。
「西田氏は議員個人に直接50万円を支払うと選挙買収が疑われる可能性が高いので、政治団体に50万円を入れる形に変えたのだと思います。50人もの議員名が収支報告書に並ぶより、政治団体名にすると個人を特定し難くなります。税理士さんらしい発想だと思いました。更に政治団体に配布することで『政治活動費』とか『党勢拡大』等の言い訳をしやすくするためだと思われます。つまりより巧妙にマネーロンダリング出来るような形に、スキームをアップデートさせたのが西田氏だった訳です」(前述の上条氏)
選挙の度に50万円を地方議員に払うという手法は、「引継書」で〈可笑しなことですがこのシステムは相当以前からと思います〉と指摘された通り、京都府連の長きに渡る「慣例」だったのだ。