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「薬師寺の奉納では、菩薩さまへお参りしたときに号泣してしまったんです」 日本初アクション派女優の志穂美悦子さんが“花創作家”に転身した“意外な”きっかけ

「薬師寺の奉納では、菩薩さまへお参りしたときに号泣してしまったんです」 日本初アクション派女優の志穂美悦子さんが“花創作家”に転身した“意外な”きっかけ

志穂美悦子さんインタビュー#1

2022/03/23
note

安堵感や、達成感……いろんな感情が出てきて号泣

――飾り付けてから一般公開が終わるまで8日間、生花のメンテナンスをしなくてはなりませんよね。

志穂美 花会式が行われた3月というのは、最も花が咲く季節です。人間もそうですけど、花が咲くためには大量のエネルギーが必要なんですよね。だから、大量の水を吸い上げるんですよ。朝一番に、太めの試験管くらいの容器へなみなみと水を入れておいても、お昼前には半分以下に減っている。なので、菩薩さまの裏側に場所を用意していただいて、私はずっとそこで待機して、タイミングを見計らって水やりをしていましたね。

花創作家として精力的に活動する志穂美さん

――そんな状況で、ご自分が飾られた空間をご覧になって、どんな感想をもたれましたか。

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志穂美 正直なところ、花のことだけを見るという感覚ではなくなっていきました。いろんな方が拝観されていくのを見ていると、元気な方もいらっしゃれば、病気の方も、悩める方もいらっしゃって、手を合わせる場所になっている。このお寺の、東院堂が持つ意味というものを強く感じまして……けっこう身体にこたえました。日程が終わって撤収した夜は、放心状態で何も考えられませんでしたが、翌日帰る前に菩薩さまへお参りしたときに、泣き崩れるというか、号泣してしまったんですよ。

薬師寺の修二会花会式で展示した作品

――それは、どういった感情だったんでしょう。

志穂美 お寺に傷ひとつ付けることなくやり終えた安堵感や、達成感……いろんな感情が出てきたんだと思います。ただ、この花会式をやらせていただいたことで、ここからお花の道をもっともっと真剣に進んでいこう、と決心しました。確かに、自分が望んでその道で生きていくんだと決めたわけではなかったけれど、こういう場を与えていただいたことで、「これで終わってはいけない」と強く思うようになりました。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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