文春オンライン
「薬師寺の奉納では、菩薩さまへお参りしたときに号泣してしまったんです」 日本初アクション派女優の志穂美悦子さんが“花創作家”に転身した“意外な”きっかけ

「薬師寺の奉納では、菩薩さまへお参りしたときに号泣してしまったんです」 日本初アクション派女優の志穂美悦子さんが“花創作家”に転身した“意外な”きっかけ

志穂美悦子さんインタビュー#1

2022/03/23
note

東日本大震災時に、寄付のための写真集を

――では、そもそもは作品を人に発表する、という感覚で始めたわけではなかったのでしょうか。

志穂美 ええ。そんな生活を送っているときに、東日本大震災が起こりまして、自分にも何かできることはないかと考えたんです。そこで考えついたのが、これまで撮ったお花の写真を1冊にまとめて、売上を寄付することでした。

2016年の「ひまわりプロジェクト」に参加したボランティアと

――それで『Flower arrangement INSPIRE Vol.1 いちかばちか』(2011年11月発売/私家版)と題された写真集を作られた。

ADVERTISEMENT

志穂美 お花は生命があるものですから、写真で記録するようにしていました。ひとつのアレンジメントで、角度を変えて撮っていましたから、そのころには1000点くらいの写真があったと思います。自分のために撮りためた写真でしたが、これがとにかく少しでも困っている方の支えになれば、という思いに変わっていきましたね。

国宝に捧げる「聖観世音菩薩に捧げる花展」

――それから「花創作家」としての活動をされていくことになるわけですが、1300年以上の歴史を持つ奈良県の薬師寺で、国宝の東院堂を花で彩る「聖観世音菩薩に捧げる花展」の奉納をされたことが話題となりました。その経緯を教えてください。

薬師寺の四天王から花のイメージを得たという

志穂美 2013年に、薬師寺の住職さんから「お花のことでお話がしたい」というご連絡を受けたんです。先ほどの写真集を購入していただいた方が、たまたまお寺の方にお見せしたのがきっかけで興味を持たれたそうで、私自身は「お寺で花の教室でも開くお手伝いが出来たら…」くらいの気持ちでおうかがいしました。そうしたら、住職さんがその年の「来年の修二会花会式(しゅにえはなえしき)で、東院堂を花で飾ってみたらどうか…」とおっしゃいまして…。