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「そして2017年12月、夫婦は嫌がる心ちゃんの脚を無理やり開いたり伸ばしたりして股間を拭きました。相当の力が加えられたのでしょう。太ももや腰の筋肉が断裂し、腰がくの字に曲がってしまったんです。その腰を『治すため』に、両被告は3キロのダンベルを背中に置いてもいる」(同前)

 暴行による筋肉断裂の痛みなどでさらに食欲が落ちたのだろう。12月21日に亡くなった心ちゃんの死因は脱水を伴う低栄養状態による低体温症だった。

夫に送った“二つ折り”になった心ちゃんの動画

「心ちゃんが亡くなる2日前、真純被告は悠樹被告にLINEで心ちゃんを撮影した動画を送っています。そこには、足を伸ばして上体が前のめりになった“二つ折り”のような体勢で床に座った心ちゃんを、真純被告が身体を支えて食べさせようとするものでした。痛みに苦しみながらも、心ちゃんが唯一頼れる母親に助けを求めるような様子も映っていたといいます。とても、直視できるようなものではなかったそうです。

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 そして死亡当日、真純被告はお漏らしをした心ちゃんに下半身の服をいつものように着させない状態で、1時間半以上、廊下に放置。それが最後の引き金になったとみられています」(同前)

 両親が保護責任者遺棄致死容疑で埼玉県警に逮捕されたのは、心ちゃんの死亡から2年以上を経た2020年3月のことだった。

「自分は悪くない」と言いたいかのような供述

「逮捕時、『虐待ではなくしつけだった』などと2人は否認していましたが、今年1月に始まった裁判で、母親の真純被告は言葉少なながらも、自分に不利なことも正直に話し、罪に向き合おうとしている様子がありました。

 しかし一方で、父親の悠樹被告は、捜査段階での供述と変わり不可解な弁解をするなど、反省している様子は伝わってきませんでした」(同前)

 裁判で争点となったのは、医療を受けるべき状態にあった心ちゃんを、両親が共謀して医療機関を受診させなかったといえるか、といった点だ。