お漏らしをした愛娘に激怒した両親は、「娘の股間を拭くために」と両脚を無理やり広げた。その影響で腰の筋肉は断裂、くの字に曲がってしまい、自分の力で歩くこともできなくなった。さらに両親は「曲がってしまった娘の腰を直す」ために、うつぶせにして背中に3キロのダンベルを乗せる。
紛れもない壮絶な虐待の末、娘は死亡した――。
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夫への不満を募らせていた
2022年1月、さいたま地裁で父親の岩井悠樹被告(32)と母親の真純被告(30)の裁判員裁判が始まった。両被告は埼玉県伊奈町の自宅で、長女の心ちゃん(当時4)に十分な食事を与えず、無理やり股を開かせる暴行を加えた。心ちゃんは栄養失調に伴う低体温症に陥ったが両被告が適切な医療を受けさせずに死亡。今年2月24日、裁判官は「悪質で身勝手な犯行だ」と断罪し、保護責任者遺棄致死でそれぞれ懲役7年を言い渡した。
両被告は愛娘になぜそんな残虐な仕打ちを行ったのか。
心ちゃんが誕生したばかりの2013年9月、真純被告は〈女の子を出産しました。新しい家族をよろしくお願いします〉などとFacebookで幸せそうに報告をしている。
「両被告の間にはすでに長男がおり、家族4人での生活が始まりました。しかし父親の悠樹被告は仕事が多忙で育児は真純被告に任せきりで、真純被告はそんな夫への不満を募らせていたようです。
「雨の中で子供が1人外にいる」町役場への通報
2016年7月、近隣住民から町役場に『雨の中で子供が1人外にいる』などと通報がありました。職員がかけつけると、Tシャツ1枚だけの姿の心ちゃんがいた。真純被告に確認すると『トイレトレーニングで失敗しても謝らないから』などと説明。体にはあざがありましたが、『(心ちゃんが)動き回った際にぶつかった』などと話したといいます」(大手紙社会部記者)
その後、町役場の職員は2017年2月までに3回にわたって真純被告に接触。「しつけでたたくことがある」という真純被告に注意をしているが、傷やあざは「軽微なもの」であったために県警や児童相談所に通告することはなかった。
しかしこの後、虐待はエスカレートしていく。