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 悠樹被告は捜査段階での検事の調べには、心ちゃんが亡くなる前日に、「好きなケーキさえいらないと言ったのを見て、病院に連れて行ってやる必要があると思った」などと話したが、法廷では「検事にうまくやられた(話を誘導された)」とし、「ケーキを食べられないくらいの具合の悪さはあるとは思わなかった」と供述が変わった。

「子育ては妻に任せていた」悠樹被告の無責任さ

「子育ては真純被告に任せていたので、まるで自分は悪くないとでもいいたいかのように感じさせる発言もありました」(同前)

 判決では「不合理な弁解をする部分もあり、反省が深まっているとはいえない」と切り捨てられた。

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 真純被告もこう断罪された。

「心ちゃんの状態を一番身近で分かっていながら、受診をきっかけに医師に虐待を通報されることを恐れて、最後まで病院に連れて行かなかった。第3子の妊娠からまもない時期に、心ちゃんのお漏らしに悩まされていたという経緯や親としての未熟さが背景にあることを踏まえてもその動機は身勝手だ」

※写真はイメージです ©iStock.com

 そして、両被告に懲役7年の実刑判決が言い渡された。別の大手紙社会部記者が語る。

コロナ禍による虐待事件が増加

「この事件は、もちろん許されるべきではない虐待事件です。しかし『殺人』ではなく『保護責任者遺棄致死』という罪名からも分かるように、子育てという責任の重さを担いきれない未熟な両親による数々の行為が、娘の死亡という最も悲劇的な結末となったと裁判所が判断した。同じような事件は、どこでも起こりうる可能性がある」

 警察庁は3月10日、2021年に、全国の警察が摘発した児童虐待事件の件数を発表。摘発件数は過去最多の2174件だった。新型コロナによる、外出自粛、テレワークが増えたことで、「おうち時間」が増えたことによる影響で、虐待事件が増加しているのが日本の現状だ。