春のような暖かさだった3月17日は、若い皇族お二人の明るい表情と肉声が、テレビから何度も流れる一日となった。秋篠宮家の長男の悠仁さまは、お茶の水女子大附属中の卒業式に出席し、「さまざまな経験をして充実した3年間になったと思います」と笑顔で話された。

 一方、天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまは、成年を迎えた記者会見に臨まれた。堂々としたお姿やご発言からは、臨機応変に会話ができる「コミュ力」や、ご家族の絆、皇室の一員としてのご自覚など、さまざまなものがうかがえた。

御所の大広間で会見に臨まれた愛子さま(宮内庁提供)

 愛子さまは現在、学習院大の文学部日本語日本文学科に在籍。2年から日本語日本文学系のコースを選択しており、今春には3年生になられる。会見には春らしい淡いグリーンで全身をコーディネートして登場された。血色がよく、健康そうなご様子だった。

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 記者たちを驚かせたのは、「自分の言葉で自分の思いを皆さんに知っていただけるように伝えたい」との言葉通り、手元に置いた資料にほとんど目を落とさず、記者たちとアイコンタクトしながら会見に臨まれたことだ。最初は緊張している様子もあったが、終始柔らかい表情で、時折微笑みを浮かべられる余裕もあった。

 会見では記者側が宮内庁を通し、事前に質問を通告するのが慣例だが、準備した質問の後には挙手による関連質問がある。こちらは即興での回答となるが、愛子さまは準備していた回答とほとんど変わらぬ様子で答えられた。

春らしい淡いグリーンで全身をコーディネートして登場された愛子さま

 この関連質問の中には、回答が大きく報じられたものもある。「両親にどのような言葉を伝えたいか」という質問に対して、「母の『生まれてきてくれてありがとう』という言葉に掛けて、私も『生んでくれてありがとう』と伝えたいと思います」と述べられたくだりである。

 自分の言葉で語る日ごろの習慣、大げさにいえば鍛錬がなければできないことであり、多数の国民と触れ合う機会がある皇族として不可欠な「コミュ力」を証明されたといえるだろう。