皇統に属する男性から結婚相手を選ばれることが「期待される」
愛子さまの20年間の人生は、すべてが順調だったというわけではない。小学校時代などに不登校となったり、中学校時代にやせたお姿が国民を心配させたりしたこともあった。会見で発せられたこれらの言葉は、ご自身が悩んでいたときに、両陛下が「支え」となっていたことを初めて明かされたものだ。ご家族の深い信頼関係は、皇族としての今後のおふるまいにもつながっていくことだろう。
成年に達するのと前後して、愛子さまのご将来に大きな影響を与える政治の動きがあったことも、背景として押さえておきたい。
安定的な皇位継承策などを考える政府の有識者会議は昨年12月22日、皇族の人数を保つためとして、(1)女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する(2)皇族の養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする―の2案を軸とする最終報告書をまとめた。
(1)の対象には、愛子さま、佳子さまのお立場である「内親王」(天皇の子や孫など)だけでなく、三笠宮家の彬子(あきこ)さま、瑶子さま、高円宮家の承子(つぐこ)さまのお立場である「女王」も含むとされる。だが、愛子さまが成人を迎えられたこの時期に最終報告が出されたことも踏まえると、この案は愛子さまを主な対象と想定して考えられたーとする見方も強い。
2案をもとに具体的な検討がいつ、どんなスケジュールで進むのかは見通せない。ただ、女性皇族にとっては、この検討は今後の人生を左右するものである。なぜならこの案が現実化すれば、将来、皇統に属する特定の男性(昭和22年に皇籍離脱した、旧11宮家の皇族男子の子孫である男系男子)の中から、結婚相手を選ばれることが「期待される」状況になる可能性があるからだ。
さらに、将来の女性皇族は結婚しても、皇族の身分を保持するため、皇室との深い関わりは残る。眞子さんが結婚で皇室を出て「一般人」となった記憶は新しいが、そのようなことはなくなるわけである。