「わしがなんとかしちゃる」自殺する人たちが望む言葉
近年「死刑になりたいけど、自殺はできない」という動機で起こされる凶悪事件が増加している。2021年10月31日、ジョーカースーツの男として報じられた服部恭太被告や、2022年1月15日に東京大学前で無差別に人を刃物で切り付けるなどして逮捕された少年、そして同年1月27日夜から埼玉県ふじみ野市の民家に立てこもり、医師の鈴木純一さん(44)を殺害した渡辺宏容疑者。
被告らは「死刑になりたかった」「死ぬ前に道連れにしたかった」などと供述している。
「拡大自殺はあります。自殺に追い込まれた人は何を思うんかいうと、大きく自責の念に駆られるケースと、他責の感情を抱くケースに分かれる。一人で死のうとする人の方が多いですけど、めちゃくちゃにしたい、巻き込みたいと考えてしまう人もいる。でもその気持ちを違うところにぶつけられたら、全然違った道が開けるんちゃうかと思うんです。
本当は行政がもっと寄り添うべきなんです。どんな悩み事があっても死ななくても良いんですよ、と強くメッセージを発するべきなんや。我々民間に任せていること自体がおかしい」
そういいながらも茂さんは「でもわしらがやるしかない」と続けた。
「『わしがなんとかしちゃる』。自殺しようとする人たちが望んでいるのはこの言葉なんや」
取材の最後、こう力強く話した。
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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
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