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「買った車が真っすぐ走らない」「ついていたタイヤが10年落ち」…中古車売買でトラブルが頻発してしまう“意外な理由”

2022/04/05
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安心して購入できる販売店の条件

 それでは、安心して購入できる販売店の条件とは何だろうか。一つの基準として挙げたいのが、「購入をせかさない」こと。

 明確な回答や説明がなく、「今買わなければなくなってしまいますよ!」と購入を迫ってくるような販売店は避けるべきだろう。

 冒頭で紹介したトラブルも、しっかりと点検し、事前情報とは違った不具合や整備項目が発生した時に、販売店はしっかり連絡しておくべきだった。

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 中古車販売がビジネスである以上、利益を出さなければ成り立たない。追加の整備項目や費用を持ち掛けたなら、もしかしたらキャンセルされてしまうかもしれないと考えることもあるだろう。そもそも、大した確認もできていない状況でコミコミ価格を提示してしまったことに問題もあるが、利益と販売目標を優先するあまり、整備不良の車を売りつけたと思われても仕方ないトラブルだったと言わざるを得ない。

中古車が重要な存在だからこそ…

 昨今、コロナ禍のマイカー需要拡大と、新車価格の高騰が叫ばれるなか、中古車の需要は増すばかり。また、中古車売買は物を再利用するという観点からも、しっかりと維持しなければならない流通システムだ。

 中古車販売店の皆様には、「車の楽しさと便利さという価値を提供する」という原点に今一度立ち返っていただきたい。

 そして、販売店から中古車を買う我々ユーザーも、価格ばかりを重視して決めるのではなく、本当の価値を提供してくれる販売店かどうか、見極める努力をしなければならない。

 今回目にした投稿内容は、車業界に長く関わってきたものとして、非常に残念であるし悲しいことだ。筆者の周りには、ユーザーの安全と利益を最優先にしている中古車販売業者や整備士が間違いなく存在する。

 中古車を購入するユーザーはもちろん、本当に車が好きでその道で奮闘している同士達が笑顔で居られる業界になることを願わずにはいられない。

「買った車が真っすぐ走らない」「ついていたタイヤが10年落ち」…中古車売買でトラブルが頻発してしまう“意外な理由”

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