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「買った車が真っすぐ走らない」「ついていたタイヤが10年落ち」…中古車売買でトラブルが頻発してしまう“意外な理由”

2022/04/05

 昨年、中古車買取・販売の大手サイトで「費用は全部コミコミで300万円にします」と営業を受け、ER34型スカイラインを購入したところ、「まっすぐ走らない」「後ろからガタガタ音がする」といった不具合が発生。さらに「ついていたタイヤが10年落ちだった」「聞かされていないホイール4本全部に傷」など、そうした惨状を訴えたネットの書き込みが大きな話題を呼んだ。

 こんな書き込みを見たら、中古車を買うのが怖くなってしまうかもしれない。では、安心して中古車を買える販売店はどう選んだらよいのか。そもそも、何故このようなトラブルが起きるのか。整備士として18年従事し、検査員資格を持つ筆者の経験をもとにご紹介していこう。

単純なようで曖昧な車の「安心・安全」

 ここではまず、納車前整備とは何なのかお話ししておきたい。

 納車前整備とは、その名の通り、お客様に納車する前に行われる整備作業。車検切れの車であれば車検の取得、既知の不具合や故障の修理、ボディの板金修理、車内清掃などその内容は個体ごとにバラバラであり多岐にわたる。納車前整備の目的は、端的に言えば、納車後安心安全に乗ってもらうことだ。

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 では、何をもって安心安全と言えるのか? 実はこの「安心安全」の基準が単純なようで曖昧なのである。

 例えば、新たに車検を取得し納車された中古車があるとしよう。その車の安心安全の基準は、「2年後に訪れる次の車検まで一切不具合を起こさないこと」と考えるのが一般的だ。

 しかし、車が機械である以上、定期的なメンテナンスはもちろん、「時が経てば消耗品の交換が必要で、不具合が出るのは当然」という考え方もある。

 もちろん、命を乗せて走る以上、そう簡単に壊れてもらっては困るし、納車する前に不具合を発見し、同じ不具合が起こらないように整備をするのは当然だ。

 ただ、ここで問題となるのが、どんなに手厚い整備を行っても“車の安心と安全に絶対はない”ということ。

 それでは、中古車販売業者は、どこまでお金と手間を掛けて整備をしているのか?