洗車機を使うとボディが傷つくって本当?
洗車機を使うにあたって、気になるのは「ボディへのダメージ」である。かつては「洗車機は傷がつく」というのが定説だったが、現在はどうなっているのだろう。
「以前の洗車機ブラシには化学繊維がメインで使われていましたが、現在では不織布やスポンジが主な素材になっています。先に挙げたセンサーの効果もあって、ボディに負担をかけない洗い方ができるんですね。濃色車であっても、洗車機そのものによる傷は気にしなくていいレベルです。むしろ、今の洗車機でつくような傷は、手洗いであってもついてしまう可能性が高いですね」(ガソリンスタンド洗車担当A氏)
手洗い洗車ではボディの洗浄にムートンなどの柔らかい素材が用いられるが、それでもタオルによる拭き上げ時など、細かな傷が入るリスクは避けられない。このようなリスクと比べた場合、「洗車機のブラシによる傷」は、もはや考えなくていい水準にあるという。
一方で、洗車機そのものがダメージを与えなくとも、外的要因が傷の原因となることは考えられるという。
「汚れが酷い状態で、そのまま洗車機に入れるのはリスクがあります。洗車機でも高圧洗浄機が使われていますが、ほとんど『流しながら洗う』ような形になりますので、細かい粒子が吹き飛ばされないままブラシが当たるケースも考えられます」(ガソリンスタンドマネージャーB氏)
ブラシそのものが傷をつけるのではなく、ボディに残った砂粒などが巻き込まれて傷になるわけである。汚れが著しい場合には、手洗いを依頼するのが無難なようだ。
その他、極めて稀なケースだが、洗車機の管理上の問題からボディに傷が入ってしまうケースもあるらしい。
「他店で『洗車機に入れて傷だらけになった』という事例もありますが、その時は冬場、洗車機のブラシが凍結したままだったことが原因だったようです。毎日の動作点検をしていれば起きないトラブルなので、完全にスタンド側の問題ですね」(同上)
その施設がしっかりと設備を管理できているか、というのは傍目にはチェックしづらいが、店舗の清潔さや、備品の整頓状況などから推察していくほかないだろう。
洗車機の賢いメニューの選び方
なお、メニューについては、先に見たように安いコースでも問題ないという。
「コーティングしている車で薄くホコリを被っているくらいなら、水洗い洗車で十分でしょう。それ以外は基本的にシャンプー洗車を選ぶといいと思います。シャンプー洗車の洗剤は特段コーティング面に悪い影響を及ぼしませんので、コーティング車でもある程度汚れているならシャンプー洗車をおすすめします」(ガソリンスタンド洗車担当A氏)