なぜ『論点』なのか?

ベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』で時の人となった“ビリギャル”さやかちゃん。彼女を指導した坪田信貴先生は小論文対策に長年、『論点』を使ってきた。その秘伝の勉強法を誌上で教えます!

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学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)

坪田信貴(著)

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015年4月10日 発売

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坪田 『ビリギャル』と呼ばれて好評をいただいているこの本の中で、大学受験の小論文対策には『文藝春秋オピニオン 20XX年の論点100』(以下、『論点』)が最適のテキストだと書きました。私が経営する青藍義塾では、ずっと使っています。さやかちゃんの大学入試のときも、役に立ちましたよね?

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さやか 私が現役合格した慶應義塾大学の総合政策学部は、試験科目が英語と小論文だけでした。英語じゃ差がつかないから、私が受かったのは小論文がうまく書けたから。それは、この『論点』で勉強したおかげです。だけどいま8年ぶりにパラパラ見たら、すげぇ難しいなと思った(笑)。よくこんなの読んでましたね。慶應に受かるような人はみんな読んでいるのかと思って聞いてみたら、そうじゃなかった。「小論文は運」だって。

坪田 僕に言わせれば、そうではありません。小論文は対策の仕方がわからないから、みんなやらないだけです。逆に言うと、対策をしっかりしておけば、かなり差をつけられます。

 僕が『論点』を小論文対策に薦める第一の理由は、現代日本を代表する知性が寄稿しているので、文章が明晰で論理的、長さも2400字程度と読みやすいことです。いい小論文を書くためには、様々なテーマについて書かれた、いい文章を数多く読むことが必要なので、100本もの論文が収められた『論点』はもってこいなんです。

さやか 政治、経済、国際情勢から芸能・文化、スポーツまで色々なテーマが入ってますけど、私には政治や経済といったなじみのない分野のことが非常に勉強になりましたね。ほんとにそれまで何も知りませんでしたから。学校に持って行って、休み時間にひたすら読んでました。友だちは「いよいよ気がヘンになったか」と遠巻きに眺めてましたね。

坪田 『論点』をお薦めする第二の理由は、入試問題がいつ作られるのかに関係しています。問題は入試の半年くらい前に作ります。だから小論文には、試験日の1年から半年前に注目を集めたトピックがよく出題されるんです。2015年度の入試だったら、消費税増税や「イスラム国」については当然押えておかないと。『論点』は、そのような旬のテーマを政治・経済から芸能・文化まで幅広く網羅しています。

さやか ふーん、そうなんだ。私は最初、『論点』を読んでも全然意味がわからなかった。でも、かじりついて読んでいるうちに、テレビのニュースが面白くなってきたんですよ。

坪田 それは知識が増えると同時に国語力がアップしたからだね。『論点』はかなり噛み応えがあるから、何度か音読するだけでも、国語力が向上します。それが『論点』お薦めの第三の理由です。

 子どもたちは、よく「勉強が苦手」といいますが、それはほとんどの場合、「国語が苦手」なだけです。問題が何を意味しているかをちゃんと読み取れないから、答えにたどりつけない。問題集の解答に付けられている解説をちゃんと読めないから、理解が深まらない。そんな子どもたちが大勢います。国語力を上げる小論文の勉強は、すべての科目の成績向上につながるはずです。

『論点』おススメの理由
(1)現代日本を代表する知性が寄稿しているので、文章が論理的で、長さも2400字程度と読みやすい。
(2)小論文の問題に出そうな旬のテーマを幅広く網羅している。
(3)「勉強が苦手」は実は「国語が苦手」なだけ。『論点』による小論文対策はあらゆる科目の成績向上に必要な国語力を養ってくれる。