小論文を書いてみよう
坪田 次にここまで書いた要約と反論を、以下の「坪田式フォーマット」に落とし込んでいくと、そのまま実際に小論文を書くときの段落構成になります。
(1)テーマになっている文章の要約
(2)それを踏まえての自分の意見(とその根拠)
(3)前段落に対して想定される反論(自分が後で反論しやすいものでOK)
(4)その(3)に対する反論
(5)自説の優位性を示す
(6)結論
まず序論に、(1)「こういうテーマを話しますよ」と要約を書く。次に(2)自分の意見を「こうだ」ととにかく書いてみる。(3)それに対する反論、(4)その反論に対する反論(=(2)で書いた自分の意見)を書く。その次に(5)自分が伝えたいことの詳細を書いて、データや根拠を示す。そして最後に、(6)「やっぱり俺のほうがすごいだろ」という結論に導く。800字ぐらいを目安に書いてみてください。
さやか さっき言ったみたいに段落ごとに反論していくと、原稿用紙はある程度埋まっちゃいます。私が一番難しかったのは、課題文の内容を理解することでした。論破するも何も、基礎となる知識が少なすぎたんで。
坪田 それはさやかちゃんに限らずです。元の文章を理解して要約するところが、実は一番難しいんです。なので、わからない言葉や意味が曖昧な言葉の意味調べは丁寧にやったほうがいい。課題文の内容の理解ができていなかったら、本番ではメチャクチャ減点されますから。
さやか あと、練習のときも時間を測るようにしてましたね。読むことだけに時間を費やしてられないから、なるべく早く課題文を理解できるように努力しました。私のとき、慶大総合政策学部の小論文の試験時間は3時間でした。だから1時間で課題文を理解して、要約できる状態にもっていって、2時間で書いてました。
本番の3時間はメッチャ長いけど、足りないんですよ。すごく長い課題文を読むのに、まず時間がかかるんで。何回読んでも分からないんだったら、読む時間を区切って、分かるところだけで対応するしかない。
坪田 実際に書く段になると、みんな慣れてないので、いきなり最高の答案を書こうとするんですよね。頭の中であれこれ迷って書きあぐねるよりは、まずは下手でもいいから、どんどん書いてみることです。それを何度も書き直すほうが勉強になります。
さやか 小論文の勉強が難しいのは、採点が自分でできないことですね。
坪田 1人では絶対に完結しないのが文章ですから。これは誰かに客観的に見てもらわないといけません。学校の先生でもいいし、親御さんでもいいと思います。点数配分は、課題文の理解度が20点、内容の正しさが20点、内容のオリジナリティが20点、文章の構成が20点、誤字脱字などの細かい部分が20点です。これを減点法でやります。
身近な人に見てもらう場合はここまで厳密でなくても、課題文を正確に理解していて、言いたいことがきちっと伝わっているかどうか、を判断してもらえばいいと思いますよ。
小論文の練習法
(1)要約と反論を「坪田式フォーマット」に落とし込み、800字程度の「小論文」に仕上げる。時間制限を課すとさらに力がつく。
(2)先生や両親など身近な大人に必ず採点・添削してもらう。
(3)それを元に何度でも書き直す。