90年代の一度目のブレイクを経て、00年代にブログ経由で再ブレイクしたタレントのルー大柴(69)。「藪からスティック」「寝耳にウォーター」といったルー語は、いまや老若男女を問わずすっかり定着している。 

 そんな彼に、人気停滞期、『探偵!ナイトスクープ』の神回として名高い「おじいちゃんはルー大柴」、ルー語による再ブレイクなどについて、話を聞いた。(全3回の3回/1回目を読む) 

ルー大柴さん

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3年連続で“嫌いなタレントランキング”の首位に

ーー「コサキン」「カンコンキン」「浅ヤン」「トゥギャザーしようぜ」でブレイクしますけど、そのあとにルーさん自身も仰ってますけど人気が停滞してしまいます。そのあたりは、分析されたりしていますか? 

ルー大柴(以下、ルー) 上がったら落ちるもんですからね。もう、3年連続で“嫌いなタレントランキング”の首位を独占してたしね。江頭(2:50)や出川(哲朗)君も常連だったけど、それ以前の嫌われタレントの代表格が僕になりますね。 

「俺が俺が」みたいのが面白がられたし、テレビに出ても「ルーさん、ここでバーンとやっちゃってください」なんて言われてたけど、そういうキャラクターでやっていくのが、どこか自分でも飽きてきちゃったんですよね。 

ーー疲れてしまった。 

ルー そう、疲れてた。「こんなんじゃないんじゃないか」とか思っちゃってね。そうすると、だんだん人気も落ちてくるんです。 

ーーだからといって、そのままフェードアウトしないのがルーさんといいますか。『探偵!ナイトスクープ』(2003年11月21日放送)の「おじいちゃんはルー大柴」では、“クドい人”ではない“いい人”としての側面がクローズアップされました。大好きだったけど亡くなってしまった祖父がルーさんにソックリだったという女子中学生が、ルーさんに祖父のように甘えさせてもらたいという依頼で。 

ルー ラスト、泣いちゃってね。私もあれをやって、あんなふうに最後になって泣くとは思わなかったもの。依頼者の女の子と一緒に遊んだり、ハンバーグを作ってたら、なんか入ってきちゃったよね。もう、帰り際に「がんばれ」って言った途端に泣いちゃったよ。

 

 いまも話してると、涙腺が熱くなりますね。ただ、おじいちゃんの写真を見たときは「まあ似てるかな、って程度だな」とはチラッと思ったけどね(笑)。 

ーーあの回に出たことで、関西圏におけるルーさんの立ち位置みたいなものに変化は生じましたか? 

ルー 僕は関東の芸能人でしょ。あれに出たことによって、関西の芸能人の方々がルー大柴を認めてくれましたよね。やっぱり、関東の芸能人にとって関西って緊張するんですよ。でも「ルーさん、ルーさん」って声を掛けてくれるようになってね。 

「ルーさんは売れたいですか?」年下のマネージャーからの質問

ーーそして、2007年に公式ブログで用いていたルー語で第二次黄金期を迎えます。以前から「トゥギャザーしようぜ」や「ちょっとウェイト」といった具合に英語と日本語をミックスさせていましたけど、たとえば「虫のインフォメーション」など、それをさらに先鋭化させてブレイクしました。実はルー語は、マネージャーの増田さんのアイデアと聞いてますが。 

増田マネージャー(以下、増田) その通りです。1回目のブレイクは、本人が自分で考えて作ったルー大柴像だったわけなんですよ。で、僕がルーさんと会ったのって停滞期で。いままでのやり方で10年ダメだったんだから、じゃあ今度は他人の言うことを聞いて新しいルー大柴像を作ってみましょうよって提案して。それこそ「藪からスティック」「寝耳にウォーター」は、作家さんにお願いして作ってもらったんですよ。