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 先日、漫画の中でも描かせてもらったマセマ出版社さんの『初めから始める』シリーズを読んでみて、「あの時欲しかった本はこれだ!」と思いました。講義付きのシリーズなので、「これこそ、大人になって何もわからない状態でも教えてくれる本が現れた!」と歓喜しました。

©文藝春秋/©iStock.com

 漫画『ガクサン』1巻についてですが、私のオススメは、福山の気持ちが透けて見えた第6話です。「赤本」の回ですね。参考書というものが、勉強ができる人のためのものだけでなく、いろんな人に開かれているものなんだという、マニアックなものではないんだという思いが伝わるといいなあと思って描きました。これからもそういう目線で、勉強を極めるだけでなく、今よりも少しだけ良くなりたい、というものとして、学参を描いていきたいです。

実はあまり知られていない「新しい視点」を、漫画で伝えられたら

 具体的には、学生さん、社会人の皆さんに読んでいただければと思っています。勉強に対して自信がないというコンプレックスがあって、でも、どうしたらそれを解消できるのかわからない、という状況にいる方にオススメしたいです。参考書には愛が詰まっているので、きっと年齢や性別は関係なく、開かれているもののはずです。

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 私は、3人組のYouTuber「三人称」さんが好きで、動画をよく観ているんですが、メンバーが休養中に「何か別のことをしたい」と思って、小学生向けの算数のドリルを始めたんです。それから、文章題が読み解けない自分に気づき、国語の問題集の文章題に手を広げていくんです。大人でもそういうことってあるよなあ、と。

「大人の学び直し」が今、流行ってますよね。テレビなどの企画で、『ドラゴン桜』を地でいくような「タレントさんが大学受験挑戦」もよく観ます。そこまでいかなくても、少しだけ文章力をつけたいとか、語彙力をつけたい、という、受験勉強以前の「積み上げ」においてこそ、参考書が頼りになる存在になります。この、実はあまり知られていない「新しい視点」を、漫画で少しでも伝えられたらいいなあと思っています。

ガクサン(1) (モーニング KC)

佐原 実波

講談社

2022年3月23日 発売