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 そういう人たちは、たいてい詳しい学参のジャンルがあって、それぞれの切り口をあれこれ論評している。SNSを眺めているとドキドキしますが、自分のやり方、書き方でご飯を食べている人たちなので、それを主張することは大事なんだろうな、と。自分の教え方で戦っている世界だと実感します。

学参をサブカルの文脈で読んでもらうのもアリ

 そんな状況を知って生まれてきた福山は、頭が良くて偏屈、でも知恵者で。シャーロック・ホームズ×参考書という図式で描けないだろうか、という考えが最初にありました。ドラマの「ガリレオ」のイメージもありましたね。福山は一橋大学出身という設定。学生時代、参考書を活かしきれなかったという経験から、今でもずっと参考書にこだわっているという背景があります。

©佐原実波/講談社

 その福山と組むことになってしまった、ヒロインのうるし。サブカルミーハーというキャラの女性です。以前から、書店でアルバイトをしようと思ってワクワクしていたら学参担当だった……という話をよく聞いていて、正直に言えばそういう目線で参考書のことを見てしまうよなあ、と。

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 書店さんにワクワクを求めていく人は、学参コーナーには立ち寄らないですし。でも、実際にサブカル的にカルチャーを掘り下げていくと、学参ってかなり見どころがあるジャンルだということがわかってきたんです。だから大人になってもマニアが読むんでしょうね。想像以上に、見どころ読みどころが多いですから、学参をサブカルの文脈で読んでもらうのもアリではないでしょうか。

マセマ出版社さんの『はじめから始める』シリーズを読んでみて…

 私自身、編集者として働いていた頃、中高時代に苦手だった数学について、「やっぱり少しでもできたほうがいいのでは」と思って、書店の学参コーナーに立ち寄ったことがあります。基本的な意味としての数学を知ったほうがいいのではと、急に思い立ったんです。でも、何から手をつけていいかがまったくわからなくて、何も買わずにトボトボと帰ってきた経験があります。