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参考書をきちんと「愛せた」結果、志望校に現役で合格

 高校2年生までは、通信添削を挑戦しては失敗しての、繰り返しでした。高3になって「もういいかげんやらなきゃ」と覚悟を決め、前述の世界史の資料集をとにかく全部覚えてみようと。参考書をあれもこれも買う、という発想はこの時点でもありませんでした。

『単語王』も使い始めたのは高3でした。ひとつのものをやり始めると止まらないタイプなんですよね。数少ない参考書を攻めた結果、無事に現役で志望校に合格することができました。これはこれで、『ガクサン』に登場する参考書オタク・福山が言うように、参考書をきちんと「愛せた」結果かもしれません(笑)。

 ©佐原実波/講談社

「学参の著者っていったいどんな人なんだろう」

 という、学参経験に乏しい私が、学参の漫画を描くことになりました。まずは取材から入るのですが、何社かの出版社に足を運び、編集者や営業の方にお話を伺いました。学参にかかわる皆さんを取材するたびに、「どの方もお話が面白いなあ」と思いました。単純に、みんなむちゃくちゃ頭いい人たちだなあという印象です。

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 これは漫画の中でも描いていますが、TOEIC990点という方がゴロゴロいたりして……そういう数字に圧倒されました。著者の先生とバリバリわたり合うためには、相当な知識を持っている必要があるでしょうから、当然なのかもしれないですが。

 取材でのもうひとつの発見は、「学参の著者っていったいどんな人なんだろう」と。学生時代から、実はどこの誰が参考書を書いているんだろうと気になっていました。有名な塾の先生なら想像に難くないのですが、学校の先生が副業で書いたりしていることは、目からウロコでした。参考書に限らず、入試問題集なども含めて、指導している人は指導目線で書いているという発見は面白かったですね。

 取材やリサーチを進める中で、「参考書を書く人、読む人の界隈」が学生以外にも存在する、と知ったのも大きな発見でした。『ガクサン』の福山のように、大人になっても参考書を楽しく読んでいる方たちがいる。マニアックにずっと学参を追っている人はSNSにはたくさんいて、読み手でいるだけでなく、自ら書いている人までいる。