本邦初、学習参考書コメディと銘打った漫画『ガクサン』。その作者・佐原実波氏は、学生時代にたくさんの参考書と出会い、こなしてきた経験を活かして描いているかと思いきや、少し違う向き合い方をしていたようだ。
佐原氏に、自身の参考書の記憶、経験、そして漫画『ガクサン』への思いを語ってもらった。
単語帳には付箋をつけ、自分の中でのルールを確立
学生時代に一番使った学参は、英語の単語帳『単語王』(オー・メソッド出版)ですね。ボロボロになるまでやった記憶があります。
『単語王』は単語の量と意味がめちゃくちゃ多くて覚えるのが大変ではあるんですが、ページの小口側にバーッと付箋をつけて、覚えていないところは付箋を外さない、という自分の中でのルールを作って使っていました。付箋がたくさんついた『単語王』はなんだかオーラを放っていましたね。
外した付箋は、全部カードか何かに貼っておくんです。その付箋の数を見て「これだけやったんだ」「付箋全部外したんだぞ」と、またそこでオーラを感じるんです。ちなみに、付箋は紙製のものではなく、透明なプラスチック製のものを使っていました。ちょっとお高いということでのプレッシャーもあり、繰り返し使えるので重宝しました。
家に漫画がなかったため、学習漫画系をなめるように読んでいた
あと、参考書とは言えないかもしれませんが、世界史の資料集『グローバルワイド 最新世界史図表』(第一学習社)を全部覚える、という勉強法も実践しました。資料集をモノクロコピーして、緑のマーカーで線を引いて使っていましたね。資料集がカラーページなのでマーカーを引けず、だからコピーしていたんですが、史料集を発行する出版社の方には「ぜひ資料集はマーカーを引ける紙で出してください!」と、ぜひ伝えたいです(笑)。
高校時代は文系でしたが、その理由は単純に本を読むのが好きだから、でした。きっかけは、子供の頃に読み込んでいた漢文の漫画(『中国からきたよくわかることわざ事典』集英社)。これは何度も繰り返し読みましたね。いわゆる学習漫画系です。家に漫画があまりなかったんですよ。当時は親が漫画を読むタイプではなく、単純に家に漫画がなかった。読めるとしたら親戚の家に行かないといけなかったんです。だから、子供の頃はこの漫画をなめるように読んでいました。それしか読むものがなかったんです。