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“三密状態”で飲み会。泥酔する学生も

 陽性者と濃厚接触者の厳密な隔離。そして全ての学生の外出禁止……学生たちは辛いかもしれないが、防衛大が率先して感染の拡大を防ぐ規範を見せるという意味では、やむを得ないとも言える。しかし、この「ロックダウン」中に“ある訓練”が行われ、その参加者に陽性者が出たことで、学生たちの不信感は一気に高まったという。2年生のD君が明かす。

「1月17日から21日まで、2年生だけが参加する毎年恒例のスキー訓練が行われたのです。昨年は新型コロナウイルスの感染状況が悪化していたため、実施は見送られました。ところが今年は実施されたのです。圧倒的に今の方が感染者数は多いので、『当然ないだろう』と思っていたのですが、実施されると聞いた時は同期の間でも、『なぜ?』という声が上がりました。スキー訓練は他の訓練とは違い、学生たちの“思い出づくり”の意味合いが強いからです」

 “訓練”とはいえ、全ての学生が外に出るのを禁じられている中、スキー合宿を実施していいものなのか。多くの2年生が疑問を抱いたが、大学側の説明は「この学年で陽性者は出ていないからOK」。2年生が4分隊に分かれ、指導官トップである訓練部長のもと、新潟県妙高市のゲレンデで訓練は行われた。訓練の前後でPCR検査は実施されなかったという。

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「最初の頃はマスク着用を義務付けられていましたが、後半になってくると訓練部長から『息が切れて苦しいだろうから』とマスクを外す許可が出ました。ゲレンデには一般の中高生が合宿で来ていましたが、彼らの方が終始しっかりマスクを着けていたと思います」(2年生・D君)

 そして、訓練中に下された“ある指示”に学生たちは驚いたという。D君が明かす。

「毎日18時ごろには訓練を終え、宿泊している旅館に戻るのですが、『訓練部長から“幹部との懇談では飲酒してもいい”と許可が下りた』という通達が回ってきたのです。僕たちも、大学にずっと閉じ込められてストレスが溜まっていたので『許可が出たならいいか』とお酒を飲んでしまいました」

 旅館側は当然コロナ対策に気を遣っている。大広間で宴会をすることはできなかった。そこでこの“懇談”は宿泊部屋で行われることになった。

「売店でお酒とお菓子を購入して持ち込みました。本来であれば3人~5人で泊まる部屋に多い時は10人くらいの学生が入って、指導官との飲み会が行われました。部屋はまさに“三密”そのもの。僕たち学生側もまさかこんな形でお酒が飲めるとは思いもしなかったので、中には泥酔している奴もいました。毎回21時頃にはお開きになっていましたね」(同前)

 ところが——。

「スキー訓練を終えて学校に戻ると、参加していた2年生から複数の陽性者が出たのです。誰がウイルスを保持しているかわからない状態で、あのような飲み会が行われていたかと思うと……非常に恐ろしいです」(同前)

内部資料には「学生の外出は当面の間、禁止とする」の文字が