2017年、神奈川県の東名高速で、萩山友香さん(当時39)運転のワゴン車の前に繰り返し割り込み、友香さんと夫の嘉久さん(同45)を死亡させ、娘2人にけがを負わせた事件。3月30日の差し戻し裁判で検察側は、石橋和歩被告(30)に懲役18年を求刑した。
一審ですでに懲役18年の有罪判決を言い渡されていたが、地裁が弁護側の尋問の一部を誤って制限したことを東京高裁は“違法”とし、今月16日には追加尋問を行っていた。本日の裁判で検察側は石橋被告の犯行について「妨害運転を繰り返したのは明らかで、極めて危険で悪質」と述べている。
なぜ家族の幸せは、一瞬にして奪われてしまったのか。石橋被告の素性、事故当時の様子、遺族の怒りの声を報じた「週刊文春」の記事を公開する。(初出:「週刊文春」 2017年10月26日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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一家はディズニーランドの帰りだった
2018年6月5日、神奈川県大井町の東名高速下り線で起きた痛ましい死亡事故は、4カ月後に“事件”へと発展した。死亡事故を誘発したとして自動車運転死傷行為処罰法違反と暴行容疑で逮捕されたのは、福岡県在住の石橋和歩容疑者(25)だった。
「萩山嘉久さん(当時45)と妻・友香さん(当時39)夫婦は、2人の娘とディズニーランドやお台場を観光した帰宅途中でした。パーキングエリアで道をふさいでいた石橋を注意したところ逆恨みされた。約1.4キロにわたり追いかけられ、執拗な進路妨害をされたため、やむなく車を停車。車外で石橋から胸倉を掴むなどの暴行を受けた後、後方からトラックに衝突され、夫婦は亡くなりました」(社会部記者)