俳優のウィル・スミスが、アカデミー賞の偉い舞台で司会のクリス・ロックに妻の脱毛症をイジられ暴力沙汰に及んだ事件、中年男性のハゲ事情にも大きな波紋を呼んでおります。

ウィル・スミスの平手打ちに賛否両論

 ウィル・スミスの妻のジェイダが脱毛症であるにもかかわらず、壇上の司会者は名女優のデミ・ムーアが髪を丸刈りにして出演に挑んだミリタリー映画『G.I.ジェーン』の続編に言及したため、日本人の感覚的には、映画業界の内輪的にジョークで済ませずにダイレクトにぶん殴りに行くウィル・スミスに共感する人も少なくなかったりするわけですよ。

壇上に上がり、視界のクリス・ロックを平手打ちするウィル・スミス ©getty

 一方で、英語圏の人たちは「妻ジェイダは充分に自分が守れたはずなのに、ウィル・スミスが暴力に及ぶのはどういうことだ」とか「脱毛症という病気をネタに壇上でイジったクリス・ロックも悪いが、それに対して暴力で応じたウィル・スミスも悪い」という評価が大勢です。

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どのような状況でも、暴力は許されない

 国勢調査サイトで突然「ウィル・スミスとクリス・ロック、どちらが悪いと思うか?」という世論調査まで登場し、多くのアメリカ人が「ウィル・スミスが悪い」と回答しています。

Three in five Americans say Will Smith was wrong to hit Chris Rock
https://today.yougov.com/topics/entertainment/articles-reports/2022/03/29/will-smith-was-wrong-hit-chris-rock

 これ、元祖戦闘民族であり、鎌倉幕府という暴虐政体の金字塔を築いた日本人の一人としては、どうしてもウィル・スミスの「ナメられたら殺す」という尊厳感情マキシマムな行動に共感してしまうんですよね。いや、もしも私が、見ず知らずの人ならともかく公衆の面前で、それも自分のやってる仕事仲間も数多くいるところで冗談にせよ家内の容姿をDISられたら、平手打ちどころか怒りゲージMAXからの10連コンボを出そうとする自信はあります。コマンド間違って発動しない危険性はあるけど。