8日、ついにフィナーレを迎えたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。親子3世代・100年にわたる愛の物語の結末に、視聴者は感動の渦に包まれた。「週刊文春」はこれまで何度もカムカムについて報じてきた。物語が完結した今、読み返したい記事を文春オンライン初公開する。文春でしか読めぬものがある――。(初出:週刊文春  2021年12月23日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)

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最年長ヒロインを演じた深津

 朝ドラ史上最年長ヒロインを演じる深津絵里(48)。そんな彼女はチャーミングな雰囲気とは裏腹に――。

13年ぶりに連ドラ出演(写真 共同)

 97年の「踊る大捜査線」(フジテレビ系)で恩田すみれ役を好演してブレイクした深津。10年の映画「悪人」でモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、いまや日本を代表する女優だ。

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 橘金太役の甲本は、「踊る大捜査線」で共演した深津を絶賛する。

「いつも本当に穏やかな方で明るい。一緒に芝居をしていると、セリフを意識しなくても、自然と出てくるくらい、その世界観に引き込ませてくれる女優です」

「ザ・マジックアワー」(08年)などで深津を起用してきた三谷幸喜監督も、雑誌「ぴあ」(08年5月23日号)のインタビューでこう語っている。

「深津さんは歌でも芝居でもカンのいい人。(アドリブでも)絶対に笑わない。NGも出さない。もう鉄の女。絶対に崩れないタイプ」

 他方で、近年の深津と言えば、流行りのSNSで情報発信もしなければ、番組宣伝などバラエティに出演することもめったにない。

「私生活には“鉄のカーテン”を引いているのが、彼女の流儀。あくまで演技で見せる“職人肌”の女優です。かつては民放の連ドラが主戦場でしたが、最近は映画が大半。実際、連ドラ出演は、08年に木村拓哉が主演した月9『CHANGE』(フジテレビ系)以来、実に13年ぶりとなります」(ドラマ関係者)

 そんな“鉄の女”をどうやって口説いたのか。制作統括の堀之内氏が明かす。