幅2500mm×奥行4000mm×高さ2500mmのカプセル暮らし
予約が確定した段階で12万円の賃料を振り込み、あとはレンタル開始日を待つばかり。
迎えた当日。リュックにトートバッグ、二泊三日の旅行に出かけるくらいの荷物を持って揚々と中銀カプセルタワービルに向かいました。事前に約束した時間に「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」代表の前田達之さんのもと(中銀カプセルタワービルの一室)へと鍵を受け取りに行きます。そして、はやる気持ちを抑えながら、これから1ヶ月お世話になる部屋の扉を開けると……。
そこには、幅2500mm×奥行4000mm×高さ2500mmの「カプセル」からなる「部屋」が!
ここから、どんな暮らしが始まるのか。ワクワクする気持ちでいっぱいだったことは言うまでもないでしょう。
ネット環境なし、キッチンなし、お風呂も使えない…
ホームページに記されていたので、レンタル前からわかっていたものの、中銀カプセルタワービルは決して生活において快適な空間ではありません。
過去にボイラーが破裂したらしく、お湯が出ないため、部屋のシャワーは使用不可(*1)。また、トイレの流れが悪かったり、洗濯機(洗濯機置場)がなかったり、そもそもキッチンもありませんでした。住人の中には、湯沸かし器とホットプレートで工夫を凝らして調理をする……という人もいましたが、私の場合、1ヶ月の間、自炊することなく過ごしました。
*1 1階の共用部に簡易シャワーあり
とはいえ、設計時のコンセプトとして「ビジネスマンの『都市のセカンドハウス』」と掲げられているように、中銀カプセルタワービルは、「料理は外食、洗濯は業者に……」という発想で作られている建物。もちろん申込時のページにも、設備に関する注意書きはあったので、こうした不便は織り込み済みでした。
“不便”ではあるものの“不満”を抱いたことはないというわけです。
しかし、築年数は50年弱。入居中に恐怖を感じることもありました……。