店先看板の手書き文字、カラフルなアーケード、路地奥に佇む地元の名店……。日本各地の魅力あふれる商店街の魅力に迫った『商店街さんぽ ビンテージなまち並み50』(学芸出版社)の一部より、沖縄県那覇市「平和通り商店街・栄町市場」周辺地域を紹介する。(全4回の3回目/続きを読む)
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奥へ奥へ。地元の日常が顔を出す迷宮アーケード
沖縄旅行に行ったら、定番スポットの国際通りから一本奥に入ってみるのを忘れないでほしい。
複数の商店街が繋がって、ジャングルのようにアーケードが入り組んでいる。その複雑さは地図を頼っても役に立たず、何度も往復することでようやく全貌が見えてくる。まさに冒険心がくすぐられる商店街だ。
近くには沖縄の各地に存在している社交街と呼ばれる歓楽街エリアもある。賑わいの裏でひっそりと佇み、寂しさと怪しさがブレンドされた独特の雰囲気がある。
縦横無尽に広がる商店街で迷子になる
国際通りに面した平和通り商店街は、戦後露店が立ち並んでいた市場から始まった。
観光客向けのおみやげが並ぶエリアを抜け、奥へ進むほど地元客向けの生活感が出てくる。さらに脇道へ入ると、今までの喧騒がウソのような人通りのない静かな通りや、路地裏のような薄暗い道、立ち入るのを戸惑うような場所にまでたどり着く。
それぞれの商店街ごとに、売っているものも客層も、雰囲気も全く違うのがおもしろい。好奇心に導かれ、夢中になって歩いていると、自分がどこにいるのかわからなくなり、確実に迷子になる。でもそれが楽しい。
写真:あさみん
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