店先看板の手書き文字、カラフルなアーケード、路地奥に佇む地元の名店……。日本各地の魅力あふれる商店街の魅力に迫った『商店街さんぽ ビンテージなまち並み50』(学芸出版社)の一部より、山梨県富士吉田市「ほんちょう2丁目商店街・3丁目商栄会」を紹介する。(全4回の1回目/続きを読む)
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ストライプテントの先に富士山を仰ぎ見る日常
富士山の北麓にある海抜750mの高原都市。
まちの中心を貫く商店街を歩いていると、富士山に向かってなだらかな登り坂になっていることがわかる。富士山を眺めながら、富士山の一部を歩いていることを実感する。
古くから富士山信仰のまちとして栄え、また、明治以降は織物が近代産業として脚光を浴びて以来、まちの生業となってきた。
中心部には、織物産業で栄えたころの面影が今でも残り、富士山と味のあるまち並みを同時に楽しめると、日本人はもとより、外国人にも人気のスポットだ。近年は観光客向けのゲストハウスや、若者に人気のおしゃれなカフェも増えてきている。
かわいいテントが連なるレトロな商店街
国道を挟んだ両側に、カラフルなストライプのテントが連なるのが、中心となるほんちょう2丁目商店街、3丁目商栄会だ。
テントはたびたび新調されているようで、年季の入った街灯などに比べ、かなりキレイだ。晴れた日には特に、その鮮やかな色が青空に映え、荒々しい山肌とのコントラストが際立つ。富士山に向かって伸びる一本道のテントの下には、商店の看板が連なる光景もまた美しい。店舗の多くは時代を重ねた様子の佇まいだが、古い建物をリノベーションしてつくられた喫茶店やゲストハウスも見られる。
ショーウインドウ越しには、“ハタオリマチ”とともに時を刻んできたであろうマネキンや衣料品が顔をのぞかせている。気になる店を見つけたら、迷わず一歩入ってみよう。思わぬ出会いがあるかもしれない。
写真:あさみん
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