窃盗グループのヤバすぎる手口
窃盗グループが犯行に及ぶ際には、やはり入念な下調べが行われる。高額車種ほど、狙いを定めた車両への執着も強くなるようだ。
「何時から何時までこの駐車場にあるとか、家族は何時頃出かけて何時頃帰ってくるかまで全部調べているでしょうね。シャッター付きの車庫から盗まれるケースもあります。
彼らからすると、車の鍵を開けるよりもシャッターを開ける方がよほど簡単なのだと思います。あとは、内側に入ってしまえば誰からも見られないので、作業がしやすいのもあるんでしょうね」
窃盗グループによる下調べの方法もさまざまだ。以前には「受注方式」で盗難に及ぶグループの例もあったらしい。
「10年以上前ですけど、窃盗団が千葉のビジネスホテルに入って、近所で目立たない車を1台盗んで、それで近隣を回りながら車のナビに『ここに何の車種がある』っていうのを地点登録していくんです。それで注文が入る度に、車でそこに向かって盗んでいく、というのを繰り返していた事件がありました」
さらに、しばしば目にする「ある光景」も盗難の前兆である可能性があるようだ。
「この車を売ってくださいという形で、名刺なんかをワイパーやドアの隙間に挟んでいったり、なかには自宅に直接訪問したりというのもあります。そうやって車への注意の向け方とか、在宅状況とかを見ているわけです。
盗むヤツが直接来るわけない、と思っちゃうんですけど、そういう『いかにも』っていうケースは実際にありますね」
もちろん、なかにはまともな業者もいるというが、車両に名刺やチラシが挟まれていたらすぐに回収し、注意を向けておくことが必要だ。
「自分はこの車にいつも注目しているんだ、というのをアピールすることが大切です。この車はまずいかな、と思わせることができるかもしれませんね」
盗難を防止するうえでは、窃盗犯に対してなるべく多くの「障壁」を作ることが重要だ。とはいえもちろん、精神面でのアピールだけでは対策として心許ない。
それでは、十全な盗難対策のためにはどのような方法が有効なのだろう。後編では引き続き、攪上氏の解説をもとに具体的な対策方法を紹介していく。