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「変身できる幼稚園の先生は宇宙に1人だけ」「ウルトラマンの次は“保育メン”」 幼稚園教諭免許取得のつるの剛士(46)が目指す“子供たちの理想郷”とは?

つるの剛士さんインタビュー #2

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なかなか浸透しない保育の現場の働き方改革

――昔の保育の現場と近年の保育の現場で違うところはありますか?

つるの 僕はあまり偉そうなこと言えないんだけど、先生たちって本当に大変なんですよ。保育園なんかだと子供たちは昼寝するじゃないですか。でもそこで先生たちは休んでるわけじゃないんですよ。親御さんに向けて1人1人、連絡帳を書かなきゃいけないんです。最近では保育の現場でもIT化が進んで、手書きじゃない保育園も増えてきてはいますけど、まだまだ手書きが多いんですよね。

 だからこういう細かいところでも、これからいろいろと変えていかなきゃいけないんじゃないかなと思うし。変えていこうとしている方もいらっしゃるんですけど、なかなか浸透しないんですよね。

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©️文藝春秋

――幼稚園の先生や保育士さんの人数も減っているのでしょうか。

つるの やっぱり減っていますね。園自体も子供たちとともに減っているし、なにより本当にすごく安いお給料で皆さん大変なお仕事されているんですよね。小さな命を預かるなんてこんなに責任重大なお仕事はないですから。保育に限らず人の命を預かる方は本当に大変ですよ。

保育の現場は人数を増やさなきゃいけない

――法改正により今年2月から保育士と幼稚園教諭の給料引き上げ(月額9千円)が実施されました。

つるの 賃金なんか別に上げようが下げようが仕事内容は同じですし、先生たちもみんな一生懸命、子供たちを見ているんですよ。そういうことじゃなくて、人数増やさなきゃいけないと思うんです。先生1人に対して子供たちの数がめちゃくちゃ多いんですよ。だからもうちょっと社会全体がしっかり子供を育てるっていう意識に変わっていかないと、なかなか難しいですよね。

©️文藝春秋

――保育士さんや幼稚園の先生が増えないと、先生にとっても子供たちにとってもいい影響がないですね。

つるの 子は宝だからね。今年は子供が84万人ぐらいしか産まれなかったんだよ。もう本当に子供たち大変だよ。世の中がちゃんと子供のことを考えて“子供ファースト”でいかないと。もちろんシニアも大切だけど、子供たちの未来を大切にしたい。1人1人の才能をしっかり伸ばしてあげて、質の高い子供たちを育てていきたいですよね。

 実際に“子供ファースト”に取り組んでいる自治体があるので、そういうところに勉強しに行こうと思っているんですけど。僕は藤沢市の観光大使をやっているので、そういうモデルケースになるようなことをしたいなって思っています。本当に子供ファースト。子供は神様! それでいいと思う。

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