〈あらすじ〉
2000年8月10日、ロシア海軍の原子力潜水艦クルスクが、118人の乗艦員を乗せて軍事演習のために出航する。2日後に魚雷が暴発し、船体が大破して海底で身動きが取れなくなってしまう。奇跡的に生き残った23人は、第7区画司令官ミハイル(マティアス・スーナールツ)の指示のもと、脱出不可能な艦尾で救助を待つしかなかった。イギリスの海軍准将デイビッド(コリン・ファース)は、クルスクの異変にいち早く気付き救援を申し出るが、ロシア政府はそれを拒否する。その間にも、生存者たちに残された命の時間は刻一刻と失われていく。
〈解説〉
実際に起きた原子力潜水艦事故を、関係者の証言や綿密なリサーチをもとにドラマ化。『アナザーラウンド』のトマス・ヴィンターベア監督作。117分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆原子力潜水艦の内部はこんなふうなのか、という興味。観ているだけで閉所恐怖。ロシア政府の隠蔽体質。ダレずに観られた。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆語りが何度か膠着するが、照明術はさすがに技あり。海底の密室という悪条件のもとで、細かな差異を描き分けている。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆水深108mで救命困難。沽券にしがみつく愚かな老兵。演習のはずが命を捧げる哀れ。2000年当時も今もロシア変わらず。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆緊迫と悲哀。人物に接近して状況を追うヴィンターベア監督の映画術が職人的に活きた。露体制の欺瞞を巡る内容も注目。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆レア・セドゥ好演。特に海軍に対し物申す場面。国がどのように乗組員の妻、家族を失望させたか。潜水艦の視覚効果は ……。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『潜水艦クルスクの生存者たち』(ルクセンブルク)
kino cinéma横浜みなとみらいほか全国順次公開中
https://movie.kinocinema.jp/works/kursk/