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 愛子さまは会見で、自身の長所について「どこでも寝られる」点をあげ、エピソードと共に明かした。また、御用邸のある下田市須崎の海で、親子3人でサーフボードに座る挑戦をし、全員そろって海に落ちたというエピソードも披露した。親子3人、といっても、その顔ぶれが、天皇陛下、皇后陛下、愛子さまなのだから、なんとも言えない驚きとおかしみがある。

 そんなユーモアをまぶしながら、会場全体に視線を投げかけ、質問する記者の目をまっすぐに見つめて答える会見はどこかで見たと思ったが、そういえば、天皇陛下の誕生日会見にそっくりなのだ。それもそのはず、事前に「父」から、「コツ」を聞いたのだという。

宮内庁提供

 会見に同席した宮内庁幹部は、おそらく愛子さまは、質問を事前にもらってから何度も自分の言葉で返答を推敲したのだろう、という。だからこそ、自ずと覚えてしまい、メモなしでこんなに自然体で話せたのだ、とも。ご両親が「聞き役」となって、愛子さまに助言する楽しいひとときもあったようだ。

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「一皮むけちゃったんです」

 私の抱いていた子ども時代の愛子さまの印象は、失礼ながらマイペースで、いささか無愛想であった。

 夏の静養などで、ご一家が那須や須崎の御用邸に行く時は、家族のご様子をみる絶好の機会である。駅頭で、いわゆる「撮影タイム」が設定されている。

オランダ静養でのご一家 ©共同通信社

 小学生時代の愛子さまは、そんな時、笑顔で手を振るご両親のそばで、すねたような表情を見せた。雅子さまの陰に隠れたり、ぷいっと後ろを向いてしまったり、先に車に乗ってしまおうとしたり。「なぜ、みんな、私の名前を知っているの」と不思議がっている、と聞いたこともある。

 記者会見で愛子さまは、自分が「小さい頃から人見知り」であったこと、それは今も克服の対象だと明かしている。そうか、あれは「人見知り」の現れであったのか。

 ご両親は当時、そんな愛子さまのふるまいにも、ただにこにこ見守っているだけで、その場ではほとんど、注意をしていなかったように思う。皇族の中には、我が子が幼いころから、居合わせたカメラマンにまで礼儀正しく挨拶するようその場で指導する方もおられたから、皇太子時代の天皇ご一家は、自由放任主義に見えた。「親のしつけがなっていない」「愛子さまにも何かご病気があるのでは」など、意地悪く受け止める報道もあった。