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“恋愛経験なし”の42歳男性が年下女性に恋をした…一歩を踏み出せない男性に作家・伊集院静が“贈る言葉”「それが男と女というものだ」

『大人への手順』より #2

2022/04/23

source : 文藝出版局

genre : ライフ, 人生相談, ライフスタイル, 読書

note

あなたのプロポーズが周りの人に聞こえたってかまわない

 ほら、それを考えることだって、ずいぶんと愉しみでしょうし、きっとワクワクするはずです。

 私の提案は、“72歳のあなたに似合う、新しいジャケットを買いなさい”です。必要ならネクタイも選びなさい。

 あなたが72歳でも、80歳でも、大切なことは、“新しいあなた”を主張できる何かを手に入れることではないでしょうか。

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 場所がレストランで、周りのテーブルの人に、あなたのプロポーズが聞こえたって、かまわないのです。

 堂々と、プロポーズをしなさい。

©文藝春秋

“恋愛経験なし”の42歳が、10歳下の女性書店員に恋をした

42歳になりましたが、一度も彼女ができたことがありません。でも、いま好きな女性がいます。ときどき行く書店の店員さんです。ところが、どうしてもレジで声をかける勇気が出ません。彼女は10歳以上年下だと思うので、気持ち悪がられて傷つくのが怖いのです。出勤時に待ち伏せして手紙かプレゼントを渡そうかと考えています。初めの一歩を踏み出せるアドバイスをいただけないでしょうか。(42歳・男・自営業)

 42歳、自営業をなさってますか。

 これまで彼女ができたことがない?

 知ってますか? 君と同じような状況の独身男性が、かなりの数いらっしゃるのを。それで当人が結構楽しく暮らしているんなら、それはそれで何も問題ないんじゃないか、というのが、私の考えだネ。

 えっ! そうじゃないの?

 彼女が欲しい。しかも今、好きな人がいる?

 相手は書店員さん? イイですネ。

 わしも若い時、書店にアルバイトに来てた女の子と少しつき合ったことがあったナ。

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