1ページ目から読む
5/5ページ目

日本人は自分自身で判断できなくなっている

 日本における2番目の要因は「幸運」となっており、3位は「社会が平等であること」でしたから、基本的に受動的です。一方、諸外国では2位が「変化を喜んで受け入れる」、3位が「人とのつながり」となっていますから、かなり主体的であることが分かります。仕事に何を求めるのかという設問に対しても、諸外国では「好きなことをできる」を望む意見が2位ですが、日本ではこの項目は5位にしかなっていません。

 日本人は社会が不平等で主体的に行動することが難しく、運が良くなければ成功できないと考えているわけですから、抑圧的で、自由が制限されていると見てよいでしょう。

 ちなみに内閣府が2009年に公表した世界青年意識調査(18歳から24歳)では、「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」に「そう思う」と回答した日本人はわずか8・5%と、調査対象となった5カ国中、突出して低い数字でした。

ADVERTISEMENT

「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」に「そう思う」と回答した日本人はわずか8・5% (『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』より)

 日本は民主国家ですから、基本的にルールを守っていれば行動は自由なはずですが、日本人自身は自由であると感じていません。その理由は、社会あるいは世間の目というものがあり、それが自身の精神や行動を束縛しているからです。

 ちなみに内閣府は2019年にも同様の調査結果を公表しており、数字は少し改善しましたが、「そう思う」と回答した日本人の比率はやはり諸外国中最低となっており、一方で「分からない」という回答をした人の比率は諸外国中もっとも高くなっていました。2019年の調査では、自分自身の力では判断できなくなっている様子がうかがえます。

続きを読む