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くもりや雨の日にひどい頭痛、学校を休むと「サボり」といじめられた…ほかの人にはわかってもらえない気象病の“困難すぎる実態”

『1万人を治療した天気痛ドクターが教える「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』より #1

2022/04/24
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天気による不調は「ほかのひとにわかってもらえない」

 体温計で熱を測り、高熱が出ていれば、体調が優れないことを理解してもらえます。

 傷を負って血を流していれば、誰が見てもケガをしていることがわかります。

 でも、目に見えない痛みやだるさ、気分の落ち込みなどはきわめて個人的な感覚なので、それを主張してもなかなかわかってもらえません。

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©iStock.com

 とりわけ気象病は、はっきりとした原因を他人に示すことが難しいので、相手に伝わらずに苦労するシーンに直面しがちです。勘違いをされたり、あらぬ誤解をまねいたりすることも起こりえます。

 それがもととなってつらい思いをしてきたAさんの話は、先ほど紹介しましたが、気象病は誰もが陥る可能性のあるものなので、決して他人事ではないのです。症状に個人差があるのも悩ましい点で、それが理解の妨げに拍車をかけています。

 同じような慢性痛に悩まされている人でも、天気の影響を受けやすい人とそうでない人がいるため、気象病と無縁の人には「大げさ」ととられてしまうこともあります。

 そのため、自分が気象病持ちであるという自覚のない方は、つらい症状を抱えながら悩み続けてしまうはめになります。