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天気による不調は「ほかのひとにわかってもらえない」
体温計で熱を測り、高熱が出ていれば、体調が優れないことを理解してもらえます。
傷を負って血を流していれば、誰が見てもケガをしていることがわかります。
でも、目に見えない痛みやだるさ、気分の落ち込みなどはきわめて個人的な感覚なので、それを主張してもなかなかわかってもらえません。
とりわけ気象病は、はっきりとした原因を他人に示すことが難しいので、相手に伝わらずに苦労するシーンに直面しがちです。勘違いをされたり、あらぬ誤解をまねいたりすることも起こりえます。
それがもととなってつらい思いをしてきたAさんの話は、先ほど紹介しましたが、気象病は誰もが陥る可能性のあるものなので、決して他人事ではないのです。症状に個人差があるのも悩ましい点で、それが理解の妨げに拍車をかけています。
同じような慢性痛に悩まされている人でも、天気の影響を受けやすい人とそうでない人がいるため、気象病と無縁の人には「大げさ」ととられてしまうこともあります。
そのため、自分が気象病持ちであるという自覚のない方は、つらい症状を抱えながら悩み続けてしまうはめになります。