実際、25年経ち、DNA鑑定の技術は大きく進歩した。以前のDNA鑑定では見つけ出すことができなかった犯人も、現在のDNA鑑定では見つかっているケースもある。2018年には、40年以上も捕まえることができなかった“ゴールデン・ステイト・キラー”と呼ばれるカリフォルニア州の連続殺人犯が、法医学系譜学を取り入れたDNA追跡をすることで見つかり、逮捕された。
この方法は、アクセス可能なDNAのデータベースの中から、被害者に残されたDNAサンプルと遺伝子系譜的に型がマッチしているDNAを探し出して犯人を特定するもので、これにより、多くの未解決事件の犯人を特定することが可能となった。昨年6月には、この方法で、75年前にモンタナ州で起きた2つの殺人事件の犯人も特定されている。
ジョンベネが生きていたとしたら
ボールダー警察も進歩したDNA鑑定技術に注目し、昨年12月には、最新のDNA鑑定技術をジョンベネ殺害事件に適用できるか検討しているという声明を出した。これまで、捜査当局は約1000個のDNAサンプルを分析してきたが、これらのDNAサンプルもまた最新のDNA鑑定技術で再分析される可能性がある。捜査当局は、他にも、2万1000件を超える情報や手紙、メールを調査し、19の州で1000人以上の人々に話を聞いてきた。
結局、犯人が誰だか知っているのはジョンベネだけだ。そのジョンベネが生きていたとしたなら、現在31歳。
「人々を元気にするために、医師か看護師になりたい」
そう話していたというジョンベネ。
少女の夢を閉ざした者は誰なのか、世界の注目はこれからも続く。