西村京太郎の女性ファンが容疑者に急浮上!?
山村 私が1階の部屋に倒れ込んだとき、女の声で不審な電話がかかってきて、娘がいないといったら、「そんなハズない、6階にいるんじゃないですか」といって切れたんですって。それから翌朝6時にも同じ声で不審な電話があったんです。
西村 ほう。
山村 私が6階の部屋で倒れているの気づかせようとしたのか知らん。
西村 朝6時ってのは異常だな。作家はいろいろ気づかないところで誰かを傷つけているかも知れませんねぇ。
山村 先生もありませんか、何気なく使った名前で抗議されたとか、自分をモデルにしているんじゃないかとか。
西村 よくありますよ。
山村 先生のところには結婚して下さいという手紙がたくさん来ますね、ファンから。その中の誰か、私と先生が親しいんで恨んで私襲われたのかしら(笑)。
西村 そんな熱烈なファンはいません(笑)。
山村 先生だったらこんどの事件をどんな小説になさいます?
西村 面白くしようと思うと何か全然気がつかないことで恨まれてて殺られたとか、動機を捜して行く小説になっちゃうでしょうね。空き巣じゃつまらないなあ、怒られるけど(笑)。でも、作家で被害者になったなんて山村さんが初めてじゃないですか。
山村 これまでさんざん人を殺してきたけど、殺されかけたのは初めて。
西村 ハハハ。
山村 私、殺されるなら絶対刃物はいやだとか、ピストルがいいとかしゃべったり書いたりしてきたのに、撲殺とはね、たまらないですよ。先生は何でいちばん殺してます?
西村 毒殺。
山村 私も毒殺かな。毒殺はなかなか毒が手に入らないとか、入手経路を書けとか、難しいけれど、刺すより楽だわ。
西村 刺す場合は返り血をどうするかがたいへんだから。最近は化学反応までフォローしなければならないですからね。
山村 私のこれからの小説は頭を殴って殺すというのにします(笑)。いちばん簡単で、凶器はなんでもいいし。先生、殴り殺したのあります?