カメラが入ることでストレスを感じていた子どもたち
――その後『石田さんチ』の放送が始まりましたが、いかがでしたか。
晃 俺の怒っているところばかり放送されたけど、文句とかは一切なかったね。プロデューサーを信頼して全て任せていたから。演出していた澤本さんも、放送後のケアをしっかりしてくれたし、世話好きだったから。
――家庭内にカメラが入る上で、気をつけたことは何かありましたか。
晃 何もなかった。何か起きたら対処しようと思っていたけど、最初から気をつけたことはなかったです。当時は子どもをテレビに映すことに厳しくなかったしね。今だと、「テレビに子どもを映すのはどうなの」って声もたくさんあるみたいだし、最近はうちの子どもたちも出たくないやつはでていないけど。
今考えれば、カメラが入っていた影響だったのかなと思うことはいろいろありますよ。上の子が鉢植えをボンボンぶっ壊したのも、次女がヨーグルトを投げたのも、取材が入っていたストレスだったのかなって。ネットでは高校受験で悩んでたとか言われてたけど、きっとカメラが入ることでずっとストレスを感じていたんだろうなって。
取材が始まった時、上の子たちは思春期だったからね。ディレクターに当たることもあったし、部屋から出てこないこともあった。もっとケアしてあげられたらよかったと今は思いますよ。
サラリーマンが子どもを持ちづらい世の中に
――他の大家族番組を見ることもありましたか。
晃 あったね。あの頃いろんな大家族が特集されていたから。ここの夫婦はこんなに子どもが多いのになんで仲良いんだろうなって考えていました。でも、うちみたいなサラリーマンの家庭で大家族ってなかなかなかったよね。個人事業主が多い印象でした。
だから日本の人口も減るはずですよ。サラリーマンが子どもを持ちづらい世の中になっちゃったんだよね。もうちょっとそこが良くなれば、少子化問題も少しは解決するんじゃないかと思うけどね。
――晃さんから見た『石田さんチ』の魅力は何でしょうか。
晃 ありのままを見せるところですかね。基本的には家で起きたことをそのまま放送しているので。澤本さんが上手いこと編集してくれるので助かっていますよ。別にやらせをしているわけじゃないんだけど、うまいことまとめてくれる。それがあるから、いまだに見てくれる人がいるんだろうね。