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「その日暮らしで『はい、1000円』みたいな」17歳で家出してホストになった男性は、なぜ自分の彼女に援助交際をさせたのか

『海をあげる』より

2022/05/11

 えー。どんなして付き合ったか、ですか。もともと、友だちの彼女で。で、友だちと別れて、春菜から告白されて。付き合ったのが16歳なんですよ。

——そのときは、別に誰とも付き合ってなかった?

 僕ですか。はい。普通に、僕もそのとき、高校行ってたんで。毎週土日会ってる感じで。付き合って、そうですね。あいつも親とそっち系のゴタゴタがいっぱいあったんで。家出るって。そっから春菜のところに。僕も色々、親が嫌で。なんかそのとき。

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 16のときに、高校そのままぶっちして。友だちと福岡行ったんですよ。そのとき、約17歳で。そのときにはホストするってずっと決めてたんで。中洲、ホスト募集してるから行こうみたいな感じで、福岡でホストしに行って。その店がめっちゃクソ店で、そこでは1年くらい働いてました。

——なんでクソ店?

 あ、もう給料とかめっちゃもらえなくて。

——え、なんで? とってるのにお客さん?

 そうですね。その日暮らしで「はい、1000円」みたいな。働いてる従業員が「はい、1000円」みたいな。「タバコとごはん買えるじゃん。その1000円で」って。

——いやいやいやいや店出てるのに?

 給料日も給料1万円とかで。まだそのとき17歳だし。家もあるし。寮もあるし。家もあるし、ホストできてるし、しかも17歳だし、っていうのもいろいろあって、なんも言えんくて。身分証も確認されない店だったんですよ。だから、年齢もずっと18歳って言ってて。

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 ……いま考えるとバカバカしいですけどね。で、親から電話来て。福岡のとき、お金もなくて帰れなくて、沖縄に。「飛行機代出すから一旦帰っておいで」って。で、沖縄帰って。もうやめるって言わずに逃げたんですよ。友だち3人とバラバラに逃げて。

——ヤクザかなんかだったの?