(ヤクザ)も、いっぱいいましたね。やっぱ九州なんで。ヤクザとかそっち系多いじゃないですか。ぼこられるのも、めっちゃ目の前でも見たし。その逃げた人捕まってて、すっごいズタズタにボコボコにされてたし。それが怖くて、余計。
でも、俺らそのとき17歳だし、イケイケじゃないですか。「別に、捕まっても怖くなくね?」みたいな。「別に、犯罪なのはあっちじゃない? 未成年雇ったほうが悪いっしょ」みたいになって。「え、逃げよう。飛ぼう」みたいな感じで、みんなで逃げました。
そっから春菜といたんで。そのときは、僕も春菜とずっといて1年くらいかな。そんないないか。……そのとき、なんでだったかな。なんで家出たっけ。高校生になっても門限とかつけられてて、僕、バイトも仕事もなんもしてなかったんで、いろいろなんか。まわりみんな遊ぶじゃないですか。10代なんで。ウザくて。
——お母さんとの対立? お父さんとの対立?
お父さんです。
——お父さんか。まだ、怖かったときの?
そのときは。僕は、それ終わってからだいぶ落ち着きました。妹も荒れてて、弟も荒れたんで。……それで、「なんかお前のせいだよ」みたいなバーバー言われてて、「じゃあ出て行け」みたいな感じになって、お父さんはそういうの「上等上等、行け行け行け」みたいな感じなんで。「それができるんならいいんじゃない? どうせお前戻ってくるよ」みたいな。
——煽(あお)られたんだ?
お父さんもめっちゃイケイケなんですよ。話聞いてたら。イケイケだったんだろうな、っていう。
——やんちゃだったんだ。殴られたりもした?
はい。けっこう、逃げましたよ。僕は。テーブルもぜんぶひっくり返すし、あるものぜんぶ投げるんで。
和樹にとってのセックスの価値
——ずっと春菜が仕事してたさーね。そのことに関しては、どんなって思ってたの? なんかさ、普通、感覚的に言ったら、自分の彼女が援助交際で、客、取ってたら嫌かなーとか思ったりするんだけど?