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吉野家の“中の人たち”はどう考える?

 伊東氏は生活用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)出身で、2018年に吉野家に移った。吉野家のほかにも顧問契約などをしていた。ここで気づくのは、新しく来た人が古い「顧客」や「商品」を軽視したうえで「改革」でやらかすというのは吉野家以外にもよくある風景なのではないか?

 ファンに失礼というのはその通りで、ファンだけでなく吉野家の牛丼にプライドを持っている社員や従業員の“中の人たち”は今どう思ってるのだろう。気になって仕方ない。「やっぱりあいつかよ」と言われてないだろうか。ただ、吉野家が2018年に伊東氏をありがたく迎えて4年間商売してきたのは事実だ。だからこれはやはり「吉野家の問題」なのである。

 この構図って先日の朝日新聞と峯村記者問題に似ている。朝日新聞・峯村記者が安倍元首相の「顧問」を名乗り、他社の雑誌である「週刊ダイヤモンド」のインタビュー記事に介入しようとした件。あんなことされて他の朝日の記者はどう思っているのだろうと気になるのだが、一方で峯村記者個人の問題ではなく徹底して「朝日とジャーナリズムの問題」だと私は考える。なので検証記事が読みたいのだ(まだ出てませんが)。

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 さて今回の件を新聞コラムはどう書いたか。

安倍晋三 ©文藝春秋

東京新聞はいきなり添削指導!

 朝日の「天声人語」は、

《わが人生で吉野家の牛丼を幾度食べたことか。駆け出し記者のころも米国や香港など駐在先でも繁く通った。モットー「うまい、やすい、はやい」はまさに記者の味方だった》(4月20日)

 さりげなく庶民派アピールしている天声人語師匠。

 東京新聞の1面コラム「筆洗」は、

《「初めて東京で生活される若い女性をターゲットに当社の商品を継続して買っていただけるような企画」−▼元の発言を赤ペンで修正しながら、例えば、こんな発言なら、騒ぎにはならなかっただろうにと考える》(4月20日)

 いきなり赤ペンで添削指導!

 途中からは《「うまい、安い、早いの三拍子」の吉野家だが、その発言は「差別、侮蔑、暴力的」と世間を騒がせる三拍子がそろっている。》

 なんだか波に乗ってきたようだ。締めは以下。