「川一」で「げそ天」の作り方を教えてもらう
さて、最近、新たに「げそ天」を始めた大衆そば屋がある。秋葉原にある三井記念病院近くの「川一」である。店主の川又武さんがその作り方を少しだけみせてくれるというので訪問してみることにした。約1年ぶりの訪問である。店主はお元気そうでなによりである。
川又店主に聞くと、コロナ禍で、客足が遠のいてしまい、最近は付加価値のあるメニューを実験的に提供しているという。魚の天ぷらやハーブエビの天ぷらなどを提供したり、いまは「げそ天」を20食限定で提供しているという。その作り方は次のようである。
①冷凍のアカイカのげそを解凍しぶつ切りにする。
②いったん塩を振って、余分な水分を出す。
③それを洗い、ころもをつけて、天ぷら油に広げるようにちりばめて揚げていく。
④揚がっていく途中で丸くまとめていき、かき揚げを成型する。
⑤キツネ色に揚がったら、油から上げて油切りをよくして完成。
*②の段階で、ボイルすれば市川の「鈴家」風になるという。
流れるような作業で完成した「げそ天そば」を食べてみる。つゆは生返しで芳醇なつゆである。「げそ天」はコリッコリでプリップリである。途中で白ごまを振っていただくとまた風味が一気に立ち上がる。「一由そば」や「六文そば」とは違うタイプである。
「油が汚れちゃうからあまりたくさんは作れないけど、旨いならがんばって作ってみるよ」と心強いことを店主の川又さんは言ってくれた。
大衆そば・立ち食いそば屋の「げそ天」は、うまいものは何でも天種にするという心意気と創意工夫で誕生したメニューといえる。早くイカの不漁が終わって値段が落ち着くことを期待している。個人的には「げそ天」と「春菊天」をのせた「げそ春そば」がこの時期には欠かせないと思っている。さあ、ちょっと「げそ天そば」でも食べに行こう。
写真=坂崎仁紀
INFORMATION
「川一」
住所:東京都台東区台東1-2-7
営業時間:月~金 7:00~14:00
(10時頃一時閉店時間あり)
土 10:00~13:00
定休日:日祝
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