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武蔵小山の“親子カフェ”オーナーはなぜ大田区でそば屋になったのか? 西馬込の「ポツンと一軒そば屋」で聞いてみた

2021/01/19

「なんでこんなところにそば屋があるんだろう」というロケーションの店がたまにある。通称「ポツンと一軒そば屋」である。文春オンラインでも何軒か紹介してきた。

 八王子市石川町にある「田吾作」はJR中央線日野駅から、川崎市多摩区菅馬場の「星川製麺 彩」もJR南武線中野島駅から遠い立地だった。千葉市中央区寒川町の「寒川そば」も街道沿い。川崎市幸区下平間にある「大年」は旧川崎街道沿いに立地していた。「なかむら」はJR南武線稲城長沼駅前なのにポツンと佇む孤高の店。横浜市泉区上飯田町にある「ひなた山蕎麦」も小田急江ノ島線桜ヶ丘駅から歩いて30分以上かかった。

 そして、その立地にはポツンと佇むそれぞれの理由があった。

新しい“ポツンと一軒そば屋”「そば三」

 さて、今回は「結果的にポツンと一軒そば屋になった」という新しい店を紹介しようと思う。大田区仲池上の「そば三」(そばぞう)である。

 緊急事態宣言が出た1月連休明けの火曜日、小雪の舞う中、「そば三」に向かうことにした。お店は都営浅草線西馬込駅からが一番近い。南口改札を出て第二京浜を渡り、「そば太田」の脇を入って行き、一山登り馬込給水所前の信号を渡り、呑川方向へ下っていき、十中通りを右折してしばらく行った右側に「そば三」がある。だいたい15分程度で到着する。

 到着したのは午前10時少し前。ところが店に近づくと、暖簾が出ていない。自分の記憶違いで開店はなんと午前11時だった。しかたなく開店まで近所を散策することにした。

「そば三」の最寄り駅は都営浅草線西馬込駅
一山登り馬込給水所前の信号を渡り、呑川方向へ下っていく
十中通りを右折してしばらくいくと「そば三」はある

まわりには大きな運送施設や流通関係の工場

 お店のある一帯は呑川を挟んで広がる平坦な土地で、北側には新幹線と横須賀線が通り、その向こうは呑川が北上し洗足池方向に至る。南西側は久が原の高台に至り、呑川を下れば池上本門寺方向である。大きな運送施設や流通関係の工場が立ち並ぶ。南北に第二京浜、東西に環八が走るので、都心部への物流の拠点にするには都合がいい場所のようだ。また、区画整理も進んでいて、大きな分譲マンションがあちこちにできている。公園は保育園児でどこも大賑わい。

一帯は呑川を挟んで広がる平坦な土地である
北側には新幹線と横須賀線が通る

「そば三」開店の午前11時、再度店前まで来ると、ちょうど暖簾を出しているところで、安堵して入店した。お店は入り口に券売機があり、右がカウンター、左が立ち食い席で、奥はゆったりと4人掛けや2人掛けのテーブルが並ぶ。お店の雰囲気も落ち着いていてなかなかよい。アクリル板で仕切っておりコロナ対策も十分である。