さて今回は「茶そば」の話。江戸時代の中期にはすでに江戸の庶民は食べていたという「茶そば」。静岡や京都などお茶の生産地で発祥したとされている。雛祭りにいただく三色そばの彩を添える変わりそばとしても人気であった。山口県では「茶そば」を使った「瓦そば」という郷土そばが有名である。京都府宇治市にある「伊藤久右衛門 宇治本店」では「茶そば」と豪華な「抹茶パフェ」などがいただける。東京で「茶そば」といえば、八丁堀の「あさだ」が庶民的で味も上質である。
茶そばの大衆店がオープン
「茶そば」はなんとなく高級感があって、割烹や食事処に行ってそばを頼むと「茶そば」がでてきてびっくりしたこともあるかと思う。
そんな「茶そば」を使った大衆店が、原宿竹下通りに2020年3月26日にオープンした。その店名は「茶蕎麦専門店 吉そば」。
赤坂・中目黒・代々木・五反田など都内に複数展開する立ち食いそばチェーン店として有名な株式会社ノアが経営する「吉そば」の新ブランドである。
まさにコロナ禍に突き進む時に産声をあげたわけである。開店から半年が過ぎた2020年の年末、訪問してみることにした。
原宿・竹下通りの「茶蕎麦専門店 吉そば」
竹下通りに来たのは15年ぶり。平日の朝、原宿駅に到着すると駅舎が新しくなっていたので驚いた。一方、竹下通り出口側はあまり昔と変わっていない。しかし、信号待ちから見える竹下通りの街並みはずいぶんと変貌したようだ。
そんな信号を渡ったすぐの右手に「茶蕎麦専門店 吉そば」の看板をすぐにみつけることができた。