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2021年のブームはこの一品? みんなの知らない“茶そば”の世界

2021/01/05
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若い女性客を中心に人気上昇中

 そして、一番興味深いことは、「茶蕎麦専門店 吉そば」利用客のほとんどが若い女性客になっているということだ。

 竹下通りの店舗は、狭小だったり密な雰囲気の所が多い。「茶蕎麦専門店 吉そば」はまったく密ではなく、ゆったりとしていて安心感もあるのだろう。

 原宿界隈は実は蕎麦屋が少なくなった。あっても高級店が多く、若い世代にはちょっと抵抗もある。その点、「茶蕎麦専門店 吉そば」はコンセプトが実にわかりやすいし、デザインも秀逸だし、茶そばも実にうまい。プリクラを撮って、「茶そば」で知らないうちに本格そばを味わい、まったりするというわけである。贅沢な雰囲気を味わっているようだ。

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閑散とした朝の竹下通りには狭い店が多い

「商売としてはまだまだ厳しいですが、観光客ではなく若い女性客が来てくれて、本格的な茶そばの味やつゆのうまさを覚えてくれれば、リピーターも増えてくるのでは、いや増えてほしいですね」と竹下さんは話す。もちろん、滞在時には年配のご夫婦も来店していた。どの世代にも居心地がいい、「ウエルカム」な店というわけである。

2021年「茶そば」ブームに火が付くか

 コロナ禍で大衆そばも付加価値のあるメニュー開発が急がれている。抹茶は海外でもブームの真っただ中であり、本家の日本でもっと注目されてもいい頃だと思う。カテキンがコロナを撃退するという話も聞いたことがある。2021年、「茶そば」のブームに火が付くのではないかとひそかに期待している。

 なお、2020年の大晦日は「茶蕎麦専門店 吉そば」も久しぶりに忙しい客入りだったそうである。がんばれ「茶蕎麦専門店 吉そば」。また訪問しようと思う。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

茶蕎麦専門店 吉そば​​
住所:東京都渋谷区神宮前1-17-5
営業時間:
 平日 10:00~22:00
 土日祝 9:00~22:00 
https://www.yoshisoba.jp/chasoba/

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