「頭にレディース&ジェントルメンを入れていいですか?」
――当時はラジオとのキャラクターや喋り方の違いにも驚きました。『ミリオンナイツ』だとアニキ的な雰囲気なのに、『ヒッパレ』だと折り目正しいけど強引なところもあるノリといいますか。人の話に割り込んできたり、唐突に登場しながらも、どこかピシッとしているという。こうしたキャラや話し方は意識して作られたものだったのですか?
赤坂 いやいや、番組側がちゃんと作ってくれてます。多少はアドリブもあったけど、タイミングがどうしても合わなかった時は、しっかり撮り直していましたし。まず基本的なルールとして、ひな壇の皆さんが会話してるところに僕は割り込まない。三宅さんから振られたら答えますけど、僕からは行かない。あくまで音楽だけ紹介する立場で、中継地点でもありました。その代わり、三宅さんと(グッチ)裕三さんには多少ツッコんでもいい。そんな雰囲気でやっていましたね。
すべてのリハーサルに立ち会ったうえで、番組で話す内容を僕なりに考えてもいました。もちろん、作家さんが作ってくれた文章があって、それに僕が英語のトッピングをしたりとか、“てにをは”を変えたりとか、「頭にレディース&ジェントルメンを入れていいですか?」とかね。
――収録日はリハーサルを午前中から3~4回やってから本番に入るなど、プロ根性に徹する厳格な現場だったと聞いています。
赤坂 そうでしたね。夕方4時から収録が始まって、夜10時くらいに終わる。後期には、2本録り強行ってのもありました。それでもリハーサルの時間は削らないから、朝の7時とか8時には麹町の日テレGスタジオに行ってたかな。三宅さんの舞台が入る時なんかも収録スケジュールが大変になるから、みんなで「三宅さんのせい~」なんて笑いながらブーブー言ってましたよ(笑)。
――番組が放送された時期は、いわゆる“CDバブル”と重なっています。『ヒッパレ』もヒット曲を生み出すのに貢献していたんじゃないでしょうか。
赤坂 そうですよね。『ヒッパレ』で歌われた曲は、その週明けのバックオーダーが多くなった、CDの売り上げが上がったというのは聞いたことがあります。