昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/05/02

SPEEDに感じた“プロ意識”「歌とダンスで絶対にNGを出せない」

――若き日の安室奈美恵さんやSPEEDをはじめ、その後のJ-POPを牽引する人も数多く出演していました。赤坂さんとしては、新しさや凄みを感じたものですか?

赤坂 とにかく、この世代の人たちはリズムの取り方と呼吸法が僕らの時代とはまったく違いました。考えてみれば小学校低学年くらいから16ビートのシャッフルを聴いて育っているわけで、彼らはそうした音楽を乗りこなし、難なく歌って踊れる。「どうりでリズム感が違うわけだ」と感心していました。

 SPEEDさんも、リズム感が凄かったですけど、意識も高かったと思いますね。いつも元気にスタジオへ「おはようございまーす」って挨拶しながら入ってくるんだけど、いざ振り付けの練習を始めると、僕ら大人たち以上に“失敗は許されない”といった気負いを感じました。彼女たちにとっては、“歌とダンスで攻めるんだったら絶対にNGを出せない”という決意があったんじゃないかと。普段の年齢相応のとても可愛らしい雰囲気からは一変して、声も掛けられないようなプロ意識を感じていました。

 

――ゲストの方々のなかには、収録が終わっても自分の歌に納得がいかずに「もう一回歌わせてほしい」と録り直す方もいたそうですね。

赤坂 ゲストは一流の方ばかりだから、「こんなもんかな」とか「これでいいだろ」という妥協が一切ないんですよ。みなさん、ほんとにすごかったですよ。

 尾藤(イサオ)さんなんて、歌を全部入れてきますから。だから、歌詞のカンペなんてないです。プロ中のプロといいますか、根性が違うなと。尾崎(紀世彦)さんも、そうでしたね。で、「これ、コード進行が変だな。自分の好きな歌い回しにしちゃうから」とか、アレンジまでしてしまう。あの時代の方たちは楽器ができるし、譜面もいけてしまうから、とんでもないですよ。その一方で、尾崎さんは「この歌、難しいよ~」なんてことも気取らずに言うしね(笑)。

 尾藤さん、尾崎さん、マイク眞木さんといった、小学生の時にテレビで見ていたスター歌手が目の前にいて、リハして、歌うわけですよ。「赤坂君、おはよう」なんて橋幸夫さんに言われると、「ウソだろ?」と思ってクラクラしましたもん(笑)。

z